どこかの国。 映画「ロスト・チルドレン」のような色の世界で、なんどなく、ドイツのような気がした。 独特の、童話の中のような色。
狭い、広場のようなところに、江國香織が座っていた。 スウェーデンの牧場の女の子が着ていそうなかわいらしい服を着て、脇には、赤毛のアンが持っていそうな皮の大きなボストンバックをおいていた。 かわいらしい服といっても、落ちついた色の組み合わせで、けして、女の子女の子したものではなかった。 彼女のための、服だった。 頭には、三角巾。
私は、かけていた紺色の眼鏡が壊れてしまって、「眼鏡が壊れてしまった。すごく好きな眼鏡だったのに」と泣きながら彼女に話した。
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