父が、蛇を買ってきた。 正確にいうと、蛇と、かなへびを大きくしたようなもの。 私と姉は驚いて、恐怖だったけれど、父は全然平気な様子で「ほら」といって姉の肩にのせた。 姉は、あまりの怖さ(気持ち悪さ)に声もでない様子。 私も最初、気持ちが悪いと思ったのに、よく見ると、子犬のようなかわいい目をしていて、「なんだ、かわいい顔なんだね」と父に言う。 すると父は、今度は私にその蛇を抱かせようとした。 でも、やっぱりまだちょっと怖くて、「いいよいいよ」と言って拒否する。 父は、なんだよ、つまらないといった感じで、蛇を連れて、リビングに行ってしまう。
しばらくして、リビングに行って、テレビをつけようとリモコンを探してテーブルを見ると、蛇が、そのまま置いてあって(静かにいて)私はてっきり、何か、水槽とかそういうものに入れたと思っていたから、驚いて「お父さん!お父さん!蛇が!」と叫ぶ。 そして、もう一匹もどこかにいるはずだと思って、目をこらして探すと、テーブルの、ごちゃごちゃしたところからちょうど床に落ちたところで、私が見つけた!と思った瞬間に、落ちたものだから、勢いあまって踏んでしまった。
あまりの感触の気持ち悪さに「おぉぉぉ!お父さん!蛇を踏んだよ!」と叫ぶ。 死んでしまったかどうか、確認するのも怖くて、下を見れず、ただ、感触の残った右足を、中に浮かせていた。
父が、廊下の向こうから「ごめんごめん」とか言いながら、歩いてくる。
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