深海図鑑

2002年02月03日(日) 頭の中の景色

カメラを持っている私。
今使っているハーフだったような気もするし、一眼レフだったような気もしている。
たくさんの写真を、そのカメラで撮った。
フィルムは50枚ほど撮ったはずで、だとしたら、それは今のハーフのカメラだったのかかもしれない。
ふと、手にしたカメラを見ると、胴体部分が壊れていて、フィルムに光が入ってしまっているのがわかった。
そのフィルムには、美しい空や、いろいろな街角が、何枚も撮ってあると自分の中では思っていたので、それをまた、自分の手元で見られなくなってしまったことを悲しく思いながら、でも、その風景を見たのは自分なのだと思い直して、思い切ってカメラを開けて、フィルムを出して捨てた。
フィルムをだしながら、頭の中では、その最初に写っているだろう、真っ青な空にかかる、黒く長い電線のことを考えていた。


 < 過去  目次  未来 >


サイ [MAIL]