詩のような 世界

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2002年03月02日(土) 野良猫




心ない通行人に空き缶を投げつけられ

「失せろ」と言われた薄汚い野良猫が

ビー玉のような目を左右に泳がせながら

みゃあと鳴き逃げていきました



その姿はいつかの僕に似ていて

僕はとっさにポケットからナイフを取り出し


・・・


・・・



後は覚えていません



道路にはさっきの通行人が転がっていて

左胸から血が溢れ出していました

アスファルトをどす黒い色に染めていく液体が

憎くて憎くて気が狂いそうでした



すぐに僕は近所を回りあの猫を探しましたが

猫は見つかりませんでした

僕は街中を探し歩きましたが

猫は見つかりませんでした



猫に伝えたかったのに

敵を討ったよ、と

撫でてあげたかったのに

もう大丈夫だよ

優しく守りながら言いたかった








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