詩のような 世界
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不気味なほど晴れ渡った空の下
僕は全身の痛みに耐える
正しすぎる太陽の光が
千の針となって僕に突き刺さってくるんだ
痛くて冷たくて張り裂けそうで
いっそ狂ったように泣き叫んでしまいたい
子供のように声を上げたら
立ち止まってくれる人がいるんだろうか
などと甘い考えが脳裏を掠める
いつの間に僕は
黄色い傘を持たなくなったのか
いつの間に学ランが
こんなにも身体に馴染むようになったのか
いろいろなことが必要以上に恥ずかしくて
僕は暇さえあれば唇を噛んでいる
悔しさをこらえ爆発させることをせず
それが普通だと何度も自分に言いきかせた
泣くことがいけないことだと
誰が言っただろうか
誰が言えるだろうか
こんな晴天の昼下がり
道のど真ん中でワアワア泣く中学生
面白いじゃないか
意外と絵になるんじゃないか?
そんなことを考えているうちに
気がつくと空には灰色の雲が
風に流され広がっていた
雨が降るかもしれない
急げ急げ
濡れたら明日までに学ラン乾かない
僕は走った
久しぶりに全速力で――
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