詩のような 世界

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2002年05月25日(土) 恋文


今でも思わずにはいられない
貴方から逃げるべきじゃなかった
あんなに愛しい人にはもう出会えない
時間がたてばまた次にいけるよ なんて
言われても信憑性の欠片も感じない


自分のことだからよくわかる
思い込みなんかじゃない
この先
貴方以上に愛せる人が
現れることはきっとない






生涯愛する人ヘ


これは運命だったと言ってしまえば簡単ですね
結ばれる者は最終的に結ばれる
例えどんな道をたどったとしても

私たちはそうはならなかった

それでも私は完全に諦めきれていないのです
いつか再会できるなどという
うすらバカ的な妄想まで抱いてしまっている
いいえ、違うかも
そんな妄想を常に忘れたくないと思っているだけで
私の目の前は真っ暗なまま
明かりなど灯りはしません

「好き」というより
「全て」でした

私はかつて生きていくことを困難に感じていました
何もかもを疑い
私は自分の枠に人を入れなかったから
でも貴方に会って世界の色が変わりました
無彩色から有彩色へ
くすんだ町並みは輝きを取り戻すように

貴方の目や笑顔や歩き方
どうして忘れることができるでしょう
きっと一秒の判断が私たちを狂わせてしまった
それは貴方の判断であり
それは私の判断でもあった

あれからもう年月が経ちましたが
貴方はどんな貴方になっているのでしょうね
変わらないでいてほしいなんていう無謀な願いは
誰の心にも届かずに
私の乾いた唇の上で果てるまでです

それでも貴方に会いたい
それでも貴方に会いたい
それでも貴方に会いたい

突き放されても仕方がないと解っています
時間は過去を美化するとは限らない
憎しみを生むこともあるのですから
でも貴方の顔を見て
貴方の身体に触れて
貴方の存在をこの目にもう1度焼きつけたい

そしてその瞬間命を失ってもかまいません

大げさだと貴方は笑いますか
だって考えてみてください
貴方をこれ以上感じてしまった私は
もう引き下がることなどできません
離れられなくなる
それならいっそその思いを肉体ごと捨てます

とはいえやはり貴方に会うことはもうないのでしょうね
どれだけ泣いても叫んでも変わらない
変わることが許されるわけでもない

でも愛しています
貴方だけをずっと
泣きたいほど悲しく胸が締めつけられるけれど
感謝しているから
あの日々をありがとう
忘れるには重過ぎる日々を

愛しい出来事をありがとう
愛しい貴方と出会えたこの幸運を胸に


貴方に幸せが降りますように・・・







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