詩のような 世界
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ああ 灰色のプラットホームに包まれ あたしは耳鳴りに怯える
人の群れが 生ゴミのように汚らわしいものに見え 時には 野獣のように恐ろしいものにも見え
「もういやだぁ」 顔を歪め呟くと 誰かがあたしを指差して笑った
そうやって誰かを嘲笑って 見下して蹴落として それで自分の価値を見出そうとする
ホームと同化する灰色の塊たち
自信がない あたしはこの先生きていけるのか 染まらない確信がある たとえ染まってしまいたくても
ほら また耳鳴りが始まった それは高らかな音ではなく あたしの落ち着かない鼓動
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