詩のような 世界
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ああ やっぱり駄目だよ私 埋めることできない
本当はずっと物足りなさを感じてたんだ 髪の毛を2つに結っていた頃から そう 君が旅立ってから 私も 旅立ったのだけど
もしも行き先が同じだったら きっと違う結果が生まれてた 確信はなくても信じたい 君の目に映る景色は私にとって特別で ボロボロの廃墟すらいとおしく思った
バス停で待つ私の顔は 呆れるほど幸せそうだったはずで 君は 走ってきた 遠くから
君はどこから来たんだろう 私の 知らない場所から来たんだろう
会えなくなるには 君の存在は大きくなりすぎていて ウサギ頭をしたセーラー服の面影が消えても 学ラン姿の少年は生き続ける
いつまでもいつまでも
これはまるで悪夢 覚めることのない だけど痛くなくて 時間が経つにつれて徐々に柔らかに そして暖かな光で空洞を満たす 否 満たしているように感じさせる
優しくて切なくて残酷 過程は与えるくせに 出口に連れて行ってはくれない 君もそうだった でも非難できない 私は君に救われていたから
相変わらず 私の胸の真ん中はスカスカで 君はそんな様子を見てほくそ笑んでいるのかな それとも少しは同情してくれる?
幼かった私たちは 馬鹿みたいに不器用だったけれど 1番大切なものをちゃんと認識してた 揺るがされるほど大人ではなかった
あのままでいられるなんて考えてなかった 時間のせいじゃない ただ1ミリにも満たないズレのせい かつてこの空洞にあった大きな風船は 絶えず空気を入れられて 膨らんで膨らんで真っ赤になって ある時 1ミリの針によって破裂しただけ
それも 音を立てずに
やがて風船カスさえ風化し 今の私が ここにいる
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