詩のような 世界
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言葉をパソコン画面に叩き込むことによって 私の内部で巨大に渦巻く お世辞にも立派とは言えない世界が どうにか溢れ出さずにすんでいます
私の部屋はマンションの2階 夕暮れ時はベランダから外を見るのです 薄暗い闇が上から下へと移動し 濃紺と一筋の橙が家や人を包みます
うつむき家庭に帰るサラリーマン 今にも泣き出しそうな買い物袋を手にした主婦 男に無理矢理笑顔を向ける女子高生 道の真ん中で泣く赤ん坊は実は冷めていて可笑しい
この世界はどこか間違っています そう思い悲観する私が間違っているのでしょうか 作られた街作られた音作られた人作られた声 透明なベールは剥ぐべきではないのかも
昼から夜へ変わる瞬間 四方八方から小さな悲鳴が聞こえるのですが
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