詩のような 世界
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「ねぇダディ? どうしてあたしに人の愛し方を教えてくれなかったの」
写真の中のダディは口を閉ざしたままで 銀髪美人の女は問うことで心の平静を保っている そうやって100年以上どうにか生きてきたのだ
「それは女性蔑視よ!」
灯台の窓からフェミニストたちが怒鳴っていた 光は海の水面を照らし イルカの群れは見つかるまいと必死にもがいた
「ナーゴ、ナゴ(早く曲を流せ)」
メガネ少年が愛用している赤ジャージの中には 彼より二周り大きな猫が住んでいるのだが 猫は「どら猫ロックンロール」を意気揚揚と踊るのが趣味で それを眺めるのがメガネ少年の趣味だ
「もっとこっちにおいで。 ごめんね。ここでしか抱いてあげられなくて」
教卓に潜んだ2人はそこを愛の巣にしていた 彼が彼女に言うには 全てのラヴホテルには殺人鬼が隠れているらしい
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