詩のような 世界

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2003年01月17日(金) Who are you?

誰にでもなれる


好きかどうかわからないヒトやモノを
とりあえず「スキ」と言っておく
促されたから、というずるい理由で

嫌いと答えるより簡単だし
わからないと肩をすくめるより無難だし

流されるという気楽さ
誰にも迷惑かけてないから、と
軽く笑うのは正しいようで間違い
必ずどこか少し傷つけている
今ではなくても、いつか
ふと小さな痛みを感じて自分の身体を調べると
自分だけが見える血の滲んだ傷があちこちに


誰にでもなれる


誰が僕なのか識別できないだなんて笑える
望まれているなら
僕は王子様になるし子供にもなるし
ペットにだってなれる

もはや感情をうまく認識できない
と泣き喚きたいのに
それはどうやら選択肢になかったらしい

だからその辺を漂う野良犬と話す
肝心な話題には触れない表面上の会話

散歩に連れ出して
僕の破片となった心を
気を抜くと消えてしまいそうなんだ
爪先から徐々に

空中遊泳できるワンちゃん
楽しいだけだよ
意味ないよ行き先がないなら
それに落ちるかもしれないなんてハイリスク

おいでおいで
僕を置き去りにしないで
足が土にまぎれて見えない
歩くという動作の方法が思い出せない

ねえ
本当は一緒に
ねえ
本当はもう飽きていて
ねえ
本当は僕だって飛べる


君は誰かになんてならないんだろうな


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