詩のような 世界
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お願いだから そのホワイトラインからこっちへ来ないで
近づこうとしないで
本当の僕は 実在しないんだ
僕は僕という着包みを着ているだけで 中身はもうとっくに消えてしまっているんだ 何の意志ももたない
お願いだから それ以上足を踏み入れないで
君がとても優しいことは知っている だからこそ僕は君と別れなければならない
君は僕が透明人間だとわかったら悲しむだろうな 絶望する?軽蔑する? 決別しなければならないのに 君がこの手を離すのが怖いよ
ああ そんなに温かい腕で抱きしめないで 僕は恥ずかしくてたまらなくなる 君がこんな僕を許してくれるなどという 愚かで甘えた妄想が生まれてしまう
ホワイトラインよ どうか曖昧になることなく 確実にあの人を抑止して 向こう側の僕だけを目に映すように
そうでないと
僕は
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