詩のような 世界
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愛しさと 憎しみを ぐちゃぐちゃと 粘土をこねるように混ぜたら 丁度いいブレンドになった
僕は愛に飲まれてしまおう
すきだ すきだ すきだーっ
あ い し て る。
お湯をかけて3分で出来上がり まるでシェフ気取り そうやって簡単に簡単に 僕は愛をつくってしまおう
笑顔で振り向くと 目の前には無表情の君が棒立ちになっていた 母親に置いてきぼりを食った幼児のような顔をして
君は 見えない。とだけ言った 唇をほとんど動かさなかった 君の小さな抵抗、僕のつくりものに対する拒絶
お湯を吸って膨張したラーメンが 毒々しいカラフルな模様の蛇に変貌し 僕の左胸にずるりと潜り込んだ
見えない。とだけ言った のは僕も同じだった
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