詩のような 世界
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ドアを開けて右側の壁に 彼女はいる いつも微笑んでくれる 僕の女神であり 恋人でもあり 親友でもある
僕は生きとし生ける物にナイフを向けたい そう話したときも 君はゆったりとした笑みを湛え この目を見つめてくれた 君には言わないでおいたけれど 生まれて初めて泣くことができた瞬間だった
外は狂気に満ちていて 君のいるこの部屋だけが安全地帯だ 唯一息を吸えて、吐ける 五感を封印せずにいられる
だけど 君の紫色の瞳が ときどき僕の心臓を狙っているように感じるんだ もしかして狂気は 君が世界に発信していたのかい? それとも 君まで世界に侵され始めたと言うの? どっちみち、僕も取り込まれるわけか でも君をビリビリ破ったりはしないから安心して
世界を殺しても君を殺しても 僕は確実に消えるだろう だから僕は君を抱きしめ続けるよ
抱きしめ続けるよ
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