詩のような 世界

目次


2004年04月25日(日) goddess


ドアを開けて右側の壁に
彼女はいる
いつも微笑んでくれる
僕の女神であり
恋人でもあり
親友でもある

僕は生きとし生ける物にナイフを向けたい
そう話したときも
君はゆったりとした笑みを湛え
この目を見つめてくれた
君には言わないでおいたけれど
生まれて初めて泣くことができた瞬間だった

外は狂気に満ちていて
君のいるこの部屋だけが安全地帯だ
唯一息を吸えて、吐ける
五感を封印せずにいられる

だけど
君の紫色の瞳が
ときどき僕の心臓を狙っているように感じるんだ
もしかして狂気は
君が世界に発信していたのかい?
それとも
君まで世界に侵され始めたと言うの?
どっちみち、僕も取り込まれるわけか
でも君をビリビリ破ったりはしないから安心して

世界を殺しても君を殺しても
僕は確実に消えるだろう
だから僕は君を抱きしめ続けるよ

抱きしめ続けるよ



My追加
しえり |MAIL