詩のような 世界
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単純明快な気持ちを 言葉にするのはとても困難だ
複雑に色を重ねて 海のような瑠璃色にしたり 舌打ちを呼ぶようなどどめ色にしたり
気がつけば それはもう原形をとどめていなかった そして 無理に手を入れられた気持ちの分身は 君の胸に触れるどころか右往左往して 挙句の果てには君を遠ざけた
装飾されたものたち 君を見失ってしまったからには意味を持たない 今になってやっと 僕は武装解除を命令する
裸になったものたち 僕の情けなく開いたままの口へ戻り 喉を転がって心臓に達した まるで氷のように冷たく痛い
もう武器は捨てたはずなのに それらは奥の部分で新たな傷をつけ始める 僕は血を吹きながら 嗚咽する声を確かに聞いた
君の声を聞いていたかった ただそれだけだったんだ
どうか僕の血がまだ温度を保っていて できるだけゆっくりと 冷たくなった残骸を溶かしますように
一緒に流れて ゆきますように
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