詩のような 世界
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陽だまりの中、ふたりは歩く つないだ手と手の間に生まれる 新しい陽だまり 穏やかだね 穏やかだね 何ひとつ、遮るものはない そんな勘違いを呼ぶような、ぬくもり
ずっと一緒にいたいと 願いたかった どうしてこうなってしまうのだろう どうして寂しいの?どうして憤るの?
君は僕のすべてを知った、と言った 僕の喉はカラカラになった 少しでも笑えたらよかったのに
僕も君のことを知っていった 君が僕のことをまだよく知らない ということも知った
青空は 青と形容するほかに思いつかないほど 澄み切った青で 君もその色と同じだと気づいた 純粋で疑いを疑わない
僕は染まれない 君の指の1本1本から染まれない
次の陽だまりには猫の親子が寝転んでいる 君が「猫だ」と嬉しそうに走り寄っていった その後姿のずっと奥の方を 僕は無心で見つめていた
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