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★短編小説5 - 2003年08月13日(水)








悩んでも仕方がない事なんだけど。



「おい、花道。お前生きてるか?」



いくら考えても、結論は出ない。



「あぁ?生きてるよ。」




散々考えて、考え過ぎて、




「なんか最近ヘンだぞ、お前。」




手に付くものも付かずに、




「別に、いつも通りだよ。」




今日がまた終わる。




「絶対ヘンだ。」













アイツせいで



「また流川か?」




一々反応する俺。




「なんで流川なんだよッ!!」



つい声を荒げて




「だって晴子ちゃんのことじゃなさそうだし。」




見え透いた言い訳を言う。




「流川じゃねぇーつってんだろ。」




こんな感情は




「ハッキリ言えよ。長い付き合いだろ。」




口が裂けても言えやしない。




「だから…、なんでもねぇーって。」




言えてしまえば




「無理に言わなくても、いいんだけどよ。」





認めてしまえば





「……。」






どんなにラクか。







「俺ら親友だろ?」





大切な人には





「でも…」




余計言うのに





「もう少し時間くれねぇーか?洋平。」






その愛に重みがあればあるほど、





「じゃあ…花道が言うまで待つよ。」




誰かに打ち明けることも




「ありがとな、洋平。」





認めるのも





「…やっぱお前らしくねぇーな。」






時間がかかる。












「なんかあったら、すぐ言えよ。」




迷うだけ迷って




「おう。」




自分を見失う。




「すぐに飛んでくからよ。」




差し伸べられた手を





「サンキュ。」





掴みそうになってしまう。




「なんせ親友の一大事だから。」




その答えを




「それ、どーゆー意味だよ。」






認める意外術が無い。






「まぁ頑張れよ。」












胸が張り裂けそうだ。















end



誰かを愛している事を認めるのには、時に勇気がいります。
自分では認めたくないのに、本当は好きで仕方ないんです。
認められない自分の感情に苦悩して。
人にも言えず、認めることも出来ず。

きっと花ちゃんも、悩んでいるはず。
そして私も悩んでいる。




...

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