NHKハイビジョンスペシャル「飛鳥京発掘 よみがえる水の都」の再放送を見た。 2時間にも及ぶ学術的推理解明でありながら、まったく途中飽きさせない。 下手な推理ドラマよりもよっぽど見応えがある。 いちばんの焦点は、都の北西部分に作られた巨大な池が、 都に水路をめぐらすその源であると同時に排水の末端でもあるという。 その際、池の水位が上がりそうな場合には地下水脈へと流れ込み、 池の水位が下がりそうな場合には、地下水が池に流れ込んで、 池の水位を常に保っているという点が驚異であった。 それをまた、京都大学の教授の研究室で、水槽で実験しているところがすごい。 そして、こんなことが可能なためには、当時の人々が、地下水の流れを 確実に把握していないといけないそうだ。 驚くべき知恵。。。。。 そしてまた、こういう予想仮説を超えた発掘研究成果をもとに再現された コンピューターグラフィックがすごい。
その番組が終わると、すかさず「出雲大社の高層神殿の謎」。慌ててこれもビデオに録画。 出雲大社には、もとは30mくらいの柱の上に神殿がのっていたそうである。 その柱は、ひとつひとつが太い木を3本束ねてある。 この問題の焦点は、高さの割りに埋め込む深さが浅すぎること、 3本の大木をどのようにして束ねたか、どうやってその柱を建てたか、である。 とりわけ、2番目の柱の束ね方が驚きだった。 両端に長方形の穴をあけた3本の細長い鉄の板を鍛冶によって両端を曲線にして、 その3本をそれぞれ1辺にして、曲線部分の重なったところに釘を差し込んで打ちつける、 その釘はゆるやかな逆三角形状になっていて、打ち込むごとに 重なったところが次第に寄せられて、締めつけられるという仕組み。。。
結局、正月番組の中でもっとも心惹かれるのはたいてい毎年NHKSPの再放送である。 こういうのを生徒に見せたいな、と思うけれど、大半の生徒が早々に寝てしまうことは ありありと予想できてしまう。
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