TENSEI塵語

2002年03月14日(木) 好きな俳句

相変わらず、時間に追われまくっている。。。
きょうなどでも、午前中授業が3時間、その合間に追試作り、
午後は職員会議、校長との会談、分会会議、分会人対会議、そして追試作りの続き、
大慌てで家に帰って、夕飯の準備、、、と続く。夕食後、時間補充課題を考える。。。

昨日は4時ごろに帰宅できたので、きょうの授業のために
作りかけだった俳句シークパズルなるものを作っていた。
一見、ひらがながでたらめに並んでいるように見える表の中から、
サンプルとして挙げてある俳句を探させるというパズルである。
有名な俳句を読ませようという試みの単なる一方法に過ぎない。
真正面から読ませるわけではないから、まぁ、簡単にいえば邪道である。
クラッシックの名曲を、フックト・オン・クラッシックスで聞かせる、
いや、それよりも安易な、CMやお笑い番組のBGMで聞かせるようなものかも知れない。
2カ月くらい前に思いついて、俳句を25句選んでおいた。
昨日やっとそれをパズルの形にして、サンプルも打ち込んだのだが、
なかなか取りかかれなかったし、昨日も作りながら何度もためらったのは、
こんなもの作っても、生徒が、難しすぎるとかめんどくさすぎるとか言って、
まったく手をつけなかったら実につまらないことになるという心配があったからである。
けれども、きょうの3クラスの生徒の取り組みは、予想をはるかに凌いで良好だった。
生徒の反応というものは、常に計り知れないものである。

万葉集とか古今集にも好きな歌はいくつもあるけれど、
私は大学時代からどちらかというと、作為的な〈新古今調〉の歌が好きである。
〈新古今調〉から連歌、連句を経て生まれた俳句を読むときにも、
とりわけ魅力を感じるのは、2つの要素で時空の広がりを感じさせるような句である。
限りなく余情を味わわせてくれる作品である。

古池や蛙飛びこむ水の音
夏草や兵どもが夢のあと
閑かさや岩にしみいる蝉の声
荒海や佐渡に横たふ天の川  ・・・などは言うまでもない。蕪村の
春の海ひねもすのたりのたりかな  ・・・もちょっと違った意味で好きだが、

こういう人口に膾炙されすぎたあたりまえの名句以上に大学時代から惹かれているのが、

この秋は何で年寄る雲に鳥   

である。何と不思議な句であろうか。
説明しようとすると言葉を失ってしまうのだけれど(説明好きなのに〜)、
実にしっくりしたイメージで、精神世界の広がりを感じさせてくれる。



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