TENSEI塵語

2002年05月14日(火) 夢の浮き橋

好きな和歌は? なんて尋ねられると、いろいろあるはずだし、
どちらかと言えば恋歌を詠む方が好きで、大学時代に国文科に入り直したときも、
すぐに古今和歌集の恋歌の研究会に入れてもらったほどなのだが、
何故か、真っ先に頭に浮かぶのは、新古今集の定家の歌、

春の世の夢の浮き橋途絶えして 峰にわかるる横雲の空

であるのが不思議だ。
なんという映像美、理屈では説明しがたいイメージの世界、という感じがするのだ。
文学とは言葉の芸術だということを、この歌もまたはっきり教えてくれるのである。


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