TENSEI塵語

2002年10月09日(水) オーボエ

中学時代から弾きたいと思っていた夢の楽器は、ヴァイオリンは言うまでもないが、
管楽器では、オーボエとホルンである。
今振り返ってみると、最初にオーケストラの音楽に魅せられたきっかけが、
「白鳥の湖」組曲で、「序奏」にしろ有名な「情景」にしろ、
オーボエソロとホルンのユニゾンが非常に効いているので、その影響が大かもしれない。
けれどもそんな楽器を手にするという夢は、10代のころは雲をつかむような話だった。
買うなんて途方もない話だったし、学校の音楽室にもなかったから、
ほかにどうすればいいのか、皆目見当がつかなかったのである。
オーケストラの音楽を聴きまくってはいたけれど、
それを演奏する世界はまったくの別世界のできごとと思わざるをえなかったのだ。

教員になって吹奏楽部を担当するようになってから、いろいろな管楽器が身近になった。
あたりまえのように触れ、時には簡単な手入れや修理もするし、
空いてる楽器があって暇もあるときは、ちょっと試しに吹いてみたりもした。
曲が吹けるほどには練習できていないのだが、
こうすると音が出るようだ、という程度はいろいろ音出しに挑戦済みである。
演奏会等で聞けば甘い音色が魅力のオーボエも、自分でちょっと吹いてみると、
いかにチャルメラになりやすいか、身にしみてわかっている。

オーケストラの管楽器でオーボエが1番好きだといっても、
交響曲や管弦楽曲の中で時折前面に出てくるのは好きだけれども、
オーボエ協奏曲とかオーボエソロの曲を聞いてもあまり楽しくないのである。
何ヶ月か前に宮本文昭のソロCDを買ってみたけれど、
1度は全部通して聞いたかどうかも定かでなく、どこかに埋もれている。

オーボエ協奏曲で長年好んで聞いているのは、
バッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」やマルチェルロの協奏曲などで、
1番好きなのは、アルビノーニのニ短調の協奏曲である。
ただ、このアルビノーニのニ短調については、オーボエソロよりも、
弦楽合奏部分により魅力を感じているように思う。
けれども、ソロ部分は他の楽器では絶対つまらない、オーボエでなきゃいけない曲である。

もしも太宰の「斜陽」を映画化することがあったなら、
BGMはぜったいこのアルビノーニのオーボエ協奏曲だ(ト短調のも併用)、
というのが、20年来の私の腹案なのであるが、
もちろん、私が映画作りに関われる可能性なんてまったくないから、
この案は、実にもったいなくも、闇に葬り去られることになる。


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