よくミステリー小説を読むのだけれど、ふっと自身に疑問を抱いた。 その場合、何を好んで読んでいるのだろうか、と。。。 確かに、いったい真相は何だ? と、その興味で読んでいることは確かである。 けれども、トリックのおもしろさで読んでいるようには思われないのである。 複雑かつ精緻なるトリックに出会うと、むしろがっかりしてしまうのである。 目新しいトリックを求めるミステリーマニアとは違うようである。
私が殊に好んで読んできたのは、松本清張の短編集や、 赤川次郎の「幽霊」「四字熟語」「三姉妹」「悪魔」の各シリーズなどである。 他にもあるだろうけれど、まとまった単位としてあげると、 すぐに思いつくのはこんなところである。 こういう作品を見てみると、トリックのおもしろさというよりは、 そこに醸し出されている雰囲気や、キャラクターの魅力で読んでいるような気がする。 松本清張の短編は、哀しい人間をよく表現している。 赤川次郎の各シリーズは、中心人物が魅力的だ。 トリックの妙味というよりは、それを明かす人物の魅力で読んでいるようだ。 そういえば、横溝正史を読み耽っていた時期も、金田一くんの魅力のためだった。 (ただ、即座にそれが挙がらないのは、作者の筆力がやや弱いためか、、、)
最近読み始めた山口雅也の「垂里冴子の見合いと推理」も、そんな魅力で読んでいる。 考えてみれば、現実世界や映像の世界では出会えないような人物に出会えることも、 言葉による小説の魅力の大きな要素ではないか。 漫画でしか出会えないような魅力的人物があるように。。。
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