2008年12月18日(木) |
またも警察小説に泣かされた |
親から生きてても無駄なやつと罵られ、日常的に暴力をふるわれ、 ワルに徹していた八神が、唯一思いついた善行、、骨髄移植。 その移植手術に向かおうという時に、謎の人物たちに追いかけられ、 殺人容疑で警察にも手配され、四苦八苦の逃走劇を繰り広げる。。
ようやく移植手術の直前を迎えたラストのところで泣けてしまった。 「鏡に映る悪党面を眺めながら、 自分が救うのはどんな女の子だろう? と考えた。 幼稚園児だろうか? それとも小学生だろうか? よく笑う女の子だろうか? それとも泣き虫の女の子だろうか? たくさんの友だちに恵まれた優しい子だろうか?
しばらく思いをめぐらせているうち、 そんなことはどうでもいいと、八神は気づいた。 その子が、親からちゃんと愛されているのであれば。。
八神は洗面台に手をかけて跪き、腕の上に額を載せて祈り始めた。 祈らずにはいられなかった。 神さま、どうかその子を助けてください。 移植を成功させてください。 何も悪いことをしていない、小さな無垢の命を奪わないでください。
何一つ報われることのなかった人生で、 初めて八神の心が希みだけで満たされた。 自分だけの神、自分の善意が創り上げた神に向かって、 悪党は一心に祈りを捧げていた」
高野和明「グレイヴディッガー」。
この八神の逃走劇の裏には、公安出身代議士の黒い策謀あり、 その代議士に使われる公安の率いるカルト集団の恐怖あり、 彼らに恩人を殺された男の復讐劇あり、、で、 まとめておきたいのだが、もうタイムリミット。。。 (-_-)zzz
|