TENSEI塵語

2009年01月10日(土) ワークシェアリング

経団連の会長まで口にし始めたせいか、このところ新聞でも、
ずっと黙殺されていた「ワークシェアリング」の語がよく見られる。

何年前だったか、私がこの言葉を知ったのは亡き橋本氏のここだった。
http://home.owari.ne.jp/~fukuzawa/oranda,.htm#1

この「オランダの奇跡」のオランダの例もさることながら、
ドイツのフォルクスワーゲン社の試みに心惹かれた。

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 オランダの成功を受けて、「ワークシェアリング」は欧州で盛んに行われ始めた。
 失業率11%、400万人以上の失業者が溢れたドイツでは、まず10万人の従業員を抱えるフォルクスワーゲンが1993年暮れに「雇用安定化のための労使協定」を締結し、労働時間を20%短縮して、週休二日制から三日制へ移行するわりに、年収を10%カットして、過剰人員とされていた3万人を解雇するのを避けた。
 1996年には鉄鋼や繊維産業でも同様な労使協定が結ばれ、ワークシェアリングの動きが広まっている。
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労働時間短縮、賃金カットで、労働者の生活を守る。
労働時間短縮は20%なのに、賃金カットは10%にも気に入った。

小泉構造改革の前に読んだのか、そのさなかに読んだのか、定かでない。
構造改革が進んでしまう中で、自分には何もできないのだけれど、
将来のためにこういうワークシェアリング的な道も用意して下さい、
と願ったりもしていたのだが、昨年末、ついに、
非正規社員大量解雇という、安直な結末を迎えてしまった。

悔しかったけれど、構造改革の派遣の緩和政策というのは、
使い捨てでとりあえずバカスカ儲けよう、の精神だったのだから、
困ったときには切り捨てて、死なせてもかまわないのである。
あの首相が「痛みを伴う構造改革」と力説していたときは、
誰が「痛む」のか、ぜんぜん明言しなかった。


ワークシェアリングの導入は、難しいだろうな、と思う。
我が家のように夫婦とも仕事に就いている場合はそれほどでもないが、
一馬力のごく平凡な社員・職員の家庭だと、
賃金を減らされるのはかなり辛いことだろう。
つまり、政労使以前に、実際の労働者の理解を得られない恐れがある。

今のような、正社員でさえいつ解雇されるかわからない時期が、
ひとつのチャンスでもあるのだが、、、しかし、
次に解雇されるのは自分かも、、などとは誰も思いたくないものだし。。

企業の純益というものをもっと透明にしてもらわないきゃならないし、
経営陣にも賃金シェアをしてもらわなきゃならないし。。


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