一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その36
そのジムは、国道43号線沿いに建っていました。
公害日本一の尼崎!排気ガスをもろに受けてた、ボディービル・ジム!
43号線沿いに住友工場が立ち並び、その煙が、モクモク・モクモク・息が出来ない。 その工場で働いてる若い男達が仕事帰りによって、汗を流してリフレッシュして
家路に着くわけで、私も、高校時代にラグビーやって、まだ二・三年しか、
経ってない頃、まだまだ走りたい年頃でした、今でこそスポーツクラブとか気軽に行けますが、当時はそんな気の利いた所はなく、どこかスポーツ出来る所を捜してたら、偶然 、ここのジムを見つけたんです。国道沿いの排気ガスの中にそのジムはありました。
ジムの入り口に大きな古い引き戸があって横に引いいてもレールから外れてるのか、 なかなか一度では開かず、力任せに開けないと必ず途中で一回止まるんです、
戸を開けて中に入ると、うなぎの寝床みたいに縦に細長いジムで、壁には大きな
鏡が三枚ほど並んでおり、その鏡の前には、筋肉モリモリの男たちが僕の方を 見ていた、一人が近づいてきて「入会ですか?」僕が「ハイ」って言うと、
「ちょっと、待ってくださいね」と、カーテンで仕切られてる奥の方へ歩きながら・・・。
「大将!大将!」・・・すると奥のカーテンの中から片手にカップラーメンを持って、 出てきたんです、初対面で感じたこと、とにかく頭がデカイ!そして・・・背が低い!
またこの次
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