一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その41
大将が奥に引っ込んでるとき、逆三角形のみんなが,なにやら話してるのを聞いてると、どうやらポスターの全日本大会の事らしく・・・。
「今度は大将は出るのかなー」
「いやーもう年やでー絶対でーへんと思うで!」
「でも、大学のときは学生選手権で四位とか五位とか言うとったやろ!」
「アホか学生と社会人といっしょにすな!」
「せやけど今度で9回目やろ!もうあきらめてるでー」
「それもそーやな」
「それでも、大将はお父さんに憧れて今日までやってきたんやろ!」
「入り口にある、あのお父さんの写真をいつも大将は見てるんやろなー」
「そう思うとやっぱり、全日本で入賞したいやろなー大将!頑張れやな!」
大将が奥から出てきた・・・
「みんなーちょっと集まってくれ!」
みんなが大将を取り囲むように集まった、
「これから、もう!カップラーメンは食へんで!何故かと言うと」
「今度の全日本大会で引退する!最後の大会にする!」
「みんなには初めて言うけど、俺はもう9回も挑戦してきた!」
「あれ?みんな知ってたんかいな・・・10回を区切りにやめる!」
大将の目が潤んでいました、父との約束を果せなかった、せいなんだろうか
すると、大将を取り囲んだみんなの中から、
誰となく、一人が、パチパチと手を叩きだした・・・すると、みんなが叩きだした、不思議とみんなの心が一つになった、
「大将!大将!頑張ってください!頑張ってください!」
大将は泣いていた・・・下を向いて肩を震わせてた・・・。
またこの次
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