一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
第二部 その6
そんな、こんなで、ずーっと私は一年間、チヌを釣り上げることはなかったんです。
おそらく、あの時の逃がしたチヌが最後のチャンスだったんでしょうね、
25歳で自分の店をやり始めて、今思えば、お客さんを増やすことにガムシャラに生きていたように思います。
「関西チヌ研」、忘れられない事件が、もうひとつ・・・、
たしかあれは、12月にチヌ研の忘年会、8人ほどのテーブルが5つほどある中で、最後に会長のあいさつ、
会長も酔いが廻ったのか言いたい事をしゃべりはじめた・・・。
「みんな聞いてほしい!10年会長をやってきて、初めてなことがありました、とても残念です!」
それなりに食べながら聞いてたのが、みんな急に静かになった、会長は続けた・・・、
「この一年、一匹も、チヌを釣れなかった人がいます、」・・・・・・・(ドキッ!みんなの視線が・・・)
「私は彼に・・・・とっても申し訳ない事をしてしまった、」・・・・・・・(えええ!そんな!違うんです!)
「同時に残念なのは、誰一人と、彼に仕掛けと、釣り方を教えてあげてない事が私は・・・私は・・・」・・・・(泣いてる!」
またこの次
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