一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
第二部 その7
会長が泣いた事に、みんなは責任を感じ、ただ黙って下を向いてるだけだった。
会長は続けた、
「チヌ研と言っても大切なことは、遊び心!みんながこの一年間釣りが出来た のも家族とか周りの人のお陰、チヌを釣ることに心、奪われてはいないか、
ひとつの事に固執するのは、だんだんと釣りが小さくなってはいないか」
「糸を垂れてる時、そこは海、海なんです、七つの海につながる・・・海だっ
てことを忘れないでほしい」
「こんな流れになったのも、みんな私の責任・・・会長を降ります。今度は私 みたいな年寄りじゃなく、もっと若い人を選んでやってほしい。若い人の発 想は素晴らしいものがあります、この十年間、いい思い出ばかりでた・・・ ありがとうございました。」
し〜ん と静まりかえった空気・・・一人が拍手、またもう一人が、五人が
十人が・・・みんなが、割れんばかりの拍手で会長に十年間の感謝の気持ちを伝えた。
私は、しばらくして会長のところえ、ビールを持って注ぎにいった・
またこの次
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