 |
 |
■■■
■■
■ 台風襲来&「レ・ミゼラブル」
関東も台風の影響で大荒れの一日でした。 午前中は病院で午後から美容院。(←シャレじゃないッス) 時々強くなる雨足に移動のタイミングが難しいなぁ…と思いつつ歩いていたら強風で 折り畳み傘の骨が折れました(ToT)うう、安物の傘とは言えど悲しい。 ますます小降りのタイミングで移動しなくていけないじゃないかっ!グスン。
夕方からは帝国劇場へ。今日も『レ・ミゼラブル』。 早めについてしまったので国際フォーラムで上演中の『星の王子様』を偵察。 観ようかどうしようが迷っていたところにe+から半額チケのお知らせが来たので 行く事にしました(^^;上演時間の確認をすると全部で2時間半位みたい。 来週の日曜に観ます。
今期のレミゼ。えーと何回目だ? 今日の席は発売日にKさんのクジ運のお裾分けで取っていただいた席で、ナント 前から2列目のセンター!!!キャー!!!こんな良い席で観られるのは最初で 最後よ〜、と浮かれまくりなくづきです。 しかも今日のキャストはバルジャンが山口さんで、テナ夫妻が駒&森クミでガブが 宮里君、アンサンブルさんに阿部さんや渡辺さんと好きなメンバーが多いとなれば ムハ〜でしょう。(他のキャストさんも皆好きなんだけど、特にこの人たちはハズ せません)
凄く良かったっ!!!今期観た中では最高っ!でした。 という訳で久々に山口さんファンモードで感想いきます。 他のキャストの事も書きたいけど、とにかく先にこれを書かねば〜!!!
なんと言っても山口バルジャンが素晴らしい〜〜〜〜〜。山口さんってこんなに 演技上手かったか!?これって前の席で観てるからだけじゃないよね? 表情も声も今までに観た事がないくらいに魂入ってました。 司教様との食事シーンでの卑しく腹黒い顔とその後の改心でのとまどいと目覚めの 表情の変化が凄い。バルジャンの心の動き、葛藤がこんなに伝わるなんて。 「バルジャンの独白」の「♪あの地獄へ送り返さずにっ!!」での全身から絞り出す ような叫びでバルジャンの魂の震えがストレートの迫ってきます。これでくづきの 魂も持っていかれました(><。 最近気になっていたこのシーンでの苦しそうだった声も今日は綺麗かつ厚みのある 感じでドーンッと来ましたね。「生まれ変わるんだっ!」という意志の強さがググッ と伝わってくるなぁ。 (農場を追い出された後でちょっとだけ歌詞のすっ飛ばしがあったんですけどねー 歌に入り遅れた分だけ「野良〜犬っ」って入り切らなくて「♪そうだー泥まみれー だー」って繋いでまして。ゴマかし方上手いな、やっぱり。ついでに山口さんって 歌詞をトチった時ってその後が凄く良くなりませんか?博多のエリザの時もそう だったし。自分に気合い入るんだろうか…)
その後もバルジャンに見愡れることしばしば。市長様カッコええー、リトルコゼと のやりとりカワエエ〜。森の中からテナの宿屋に近付くにつれて顔色が怒りモードに なるのがツボです。テナ夫妻には仏頂面なのにリトコゼにはニコーだもんなぁ。 今日もリトコゼはグルグルされすぎて足元フラついていたけど、その後の乞食たちに 群がられるシーンでバルジャンがだっこするタイミングが今までよりちょっとだけ 遅くなっていたのは良し!山口さんは割と早めに抱き上げちゃっていたんだけど、 今日は襲われそうになってからサッと抱き上げてました。 (石井バルなんかは襲われる瞬間に抱き上げる絶妙さなんですよねー。)
山口バルは目が優しいんですよね。ファンテーヌやコゼット、マリウスに向ける 瞳がいいんです。静かにちゃんと話を聞いてくれる人だなぁ。 今日の席は「彼を帰して」でバルジャンが目の前に来る位置。 至福ってのはこういうものでしょう(ToT)
黒い服の青年がコゼットの愛するマリウスだと知ってから、ずっと彼の様子を見守る バルジャン。はう、この時の山口バルジャンの瞳にクラクラ、バル爺最高っ! マリウスがグランテールに「コゼットにはもう会えないから死んでもいいんだ」と 話すのを最初は「娘のコゼットの事を本当に愛してくれている」と喜び微笑み、そし て彼の決意を知って「コゼットの為にも何があっても彼を救わなければ」と誓い、神 に心から祈る…目の前でこんなもの観ちゃっていいんでしょうか。 山口さんの表情がいいんだ、これが。 コゼットの名前が出て思わず顔が優しくほころび、死を覚悟するマリウスの言葉に 表情をこわばらせてました。表情作るの上手くなりましたねぇ。 「彼を帰して」は以前のN.Yテロのチャリコンで聞いた時と同じ位に澄んでいて力強い 響きで神聖さを感じました。天から降るような声に包まれる感覚。またあの時と同じ 感覚を感じられるとは思っていなかったので本当に嬉しかったです。泣けますねー。
ガブの死も幼い命が散ったことでかなりショックを受けてる山口バルジャン。 砦陥落の時にもまた泣かされた〜(><。 撃たれたマリウスの無事を確認した後で更に強くなる銃声と砲弾の音。 その中でバリケードに向かうバルジャンはとにかくこの攻撃を止めたかったんです。 一瞬空の遠いところを見つめたバルジャンの顔が変わりました。彼には市長の座を 捨てた時と同じように「神の囁き」が聞こえたんだ、と思いました。 これ以上砦の誰にも死んで欲しくなかった。この時の彼にとってはマリウスも他の 学生達も同じ「守るべきもの」。自分の命と引き換えにしてもいいと思ったから 彼は銃を手に心を決めてバリケードへ向かった。マリウスを連れて2人だけで 逃げることも出来たかもしれないのに。(←これは無理か?) 迷いなくこの行動を取る「バルジャン」はやはり聖者なのでしょう。 この前のシーンで高嶋ジャベールは始終銃声にビクついて「無駄死」を恐れている ような演技をするのでその対比が際立つなぁ。 砦が落ちた後でマリウスと下水道に入る時の山口さん嬉しそうな顔しすぎ(^^;
下水道ではマリウスを肩にかついだまま移動。抱え方を変えないのは腰に悪いから でしょうか?できればマンホールの位置ごとに変えて欲しいんだけどなぁ…と思った ら随分早く「対決」の位置に到着。照明が入る結構前からあの位置に立ってます。 「対決」もいいぞー! 卑屈さを感じさせる高嶋ジャベールの詰問にも真直ぐ向かう強さが心地いい。大声で 対峙していても怒鳴り付けるような感じではなく、真摯に訴えかけるようなところが あるのが好きだなぁ。 そりゃジャベも道を開けるって。バルジャンの顔とマリウスを見比べてうろたえる 高嶋ジャベの表情が良いです。ジャベールの価値観が大混乱って感じで。
マリウスとコゼットのラブラブな姿を見て「♪お前にやろう」と祝福をして、自分の 過去を語る時の「いいお爺さん」ぶりも泣けます。コゼットを託して去る時に何度も 頼むよと言い、息子としてマリウスを抱き締めるのがエエです。相手が山本マリウス だとマリウスの生真面目な感じも「託された」感が漂っていいですね。バルの告白も 山本マリウスは「大変な事を聞いてしまった。どうしよう」って顔するし。岡田マリ ウスは状況がイマイチ飲み込みきれていなくてキョトンとした感じですね。 もう観てて涙ボロボロ。山本マリウスが前のソロシーンから半泣きモードだったのに もやられたなぁ。 しかも山口バル急ぎ足で立ち去る時に片足を少しひきずってるんだよー(ToT) 自分も砦でケガしたのに、しかも爺だからマリウスより治りも遅いだろうに、と余計 な背景まで考えてしまってまた涙。
そしてエピローグ。 バルジャン、肩を丸めて銀の燭台とともに祈る姿は小さくて死の気配を感じさせるの にどこか誇りに満ちたような雰囲気。自分の成すべきことを全てやり遂げた人の魂の 輝きとでもいうのでしょうか。ファンテーヌが現れてバルジャンに最後の祝福を与え てくれるのが美しいですね。 「神様からの贈り物」として奇跡が起こる瞬間ってきっとこんな感じ。
コゼットの「パパ生きて」の言葉にゆっくりと噛み締めるように優しく答えるバル爺 と「それは叶わない」と判っていてる辛さからバルから目を反らしている山本マリウ ス。コゼットに手紙を渡すとバルジャン(この時も凄く苦しそうに手紙を出すの〜、 絶対バルジャン心臓の発作起こしてる…でもコゼットを見つめる時は「大丈夫だよ」って 安心させるようにかすかに微笑むの〜。)は真直ぐマリウスを見つめました。 それに気付いたマリウスも見つめかえすんですよ。言葉はかわさなくてバルジャンの最後の 想いは伝わってる。「コゼットを頼むよ」って。この無言のコゼットの知らないところで かわされる優しいやりとりでもうくづきはボロ泣きでした。 山口さんのバルジャンっていつも「いつ死んだの?」って境目が判りにくいなぁーと 思っていたんですけど、今日は良ーく判りました。 最後までマリウスを見つめたまま逝くんですね。彫像のように動かなくなったバルジャン。 コゼットに抱き締められ、新しい息子に全てを託しバルジャンは死にました。 幸せな死、だよなぁ。
ファンテやエポ、そして学生達と歌う「民衆の歌」。 自分の信じた道を歩んだものだけに与えられる光の世界。 ブラボー!!!
生の舞台はこんな日があるから劇場通いをやめられないんだよね(^^; 他の皆さんについても語りたい。 高嶋ジャベの印象が変わったとか、山本マリの泣き顔にやられたとか、マルシアさんの ファンテ初観劇の印象とか、坂元アンジョがたくましくなったとか…。 夏休み中にレビューの形にまとめたいなぁー、っていつも調子で思ってます。
2003年08月09日(土)
|
|
 |