天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

天使に抱かれた日 - 2001年05月06日(日)

日本に行く予定を一ヶ月早めた。あの人に会いたかった。とても会いたかった。会う日を決めて、あの頃は毎日メールの交換もしてた。

ー早く会いたいよ。早く日本に来ないかな。
ー写真、見たよ。すごいかわいかった。会ったらいっぱい苛めたいな。
ーいろんなとこ案内してあげるね。いろんなとこ行っていろんな話しようね。聞いて欲しいこといろいろあるんだ。
ーこれ読んだら電話してきて。できる? できたらでいいから。
ーもうすぐ会えるね。すごく楽しみだよ。

かわいい弟みたいだった。

あの人が電話に出られそうな時間を探しては、朝早くこっそりうちを抜け出して公衆電話から電話もした。夫がいないときにはうちからもかけた。

8月に引っ越すんだ。今度はひとりで住むの。遊びにおいでよ。  いいの? 行きたい。泊めてくれるの? 泊めてあげるよ。 ごはんも作ってくれる? 作ってあげるよ。 Hもしてくれる? それはあなたがしてくれるんでしょ? するよ、するする。

わたしは優しいおねえさんだった。


約束通り、自分の住んでる街をたくさん案内してくれた。海の見える街だった。いろんなお店をのぞいて、たくさん歩いて、お茶を飲んで、また歩いて、ファーストフードの食事をして、また歩く。カラオケもしたし、ゲームもした。あの人は自分の生活を見せてくれてた。ありのままの素顔を見せてくれてた。優しくて心がきれいで、いたずらが大好きでジョークが大好きで、時々悪魔のしっぽが生えちゃう素敵な天使だった。楽しかった。あの人の街が好きになった。嫌いだった日本が好きになりそうだった。

「誰にも言ったことないんだけどね」。そう言って自分の夢を聞かせてくれた。素敵だと思った。夢も素敵だったけど、着実に夢に近づいてることがすごいなと思った。「応援する。あなたの曲ほんとに素敵だもの。」「ほんと? ほんとにそう思ってくれる?」 本当だよ。ずっとずっと応援する。あなたが夢にもっともっと近づいてくのをずっと見ていたい。

あんなに素敵な音楽を作れるのは、あなたが素敵な天使だからよ。ーそれは言わなかったけど。


裸のお尻が天使みたいだと思った。背中に翼をつけて頭に輪っかをのっけたら、そのまま空を飛んで行きそうな気がした。翼と輪っかのない天使に、わたしは抱かれた。少しだけ乱暴でものすごく優しくて、とてもセクシーだった。魔法の言葉をいっぱいくれた。涙が出そうなくらい愛おしかった。天使の腕の中で、浅い夢を見ながら朝まで眠った。


あれからもうすぐ一年。大人になったなと思う。・・・それはその人への愛のため? その人との結婚のため? ーわたしはどんどん子どもになっていく。


-




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail