切ない男心 - 2001年05月31日(木) すごい嬉しいニュース。こっちの歌手の作曲を依頼されたって。今年の終わりにこっちのスタジオに来ることになるかもって。 「ちゃんと決まってから言おうと思ってたんだけどね。」 って、あの人はいつだって内緒になんて出来ない。いいことも悪いことも。わたしにとって嬉しいことも悲しいことも。 「ポシャるかもしれないからさ。」 「いいじゃん、今回もし上手くいかなくったって、可能性が出来たってことだもん。すごいことだよ。」 すごいよ。また一歩夢に近づいたね。嬉しい。どきどきするよ。 わたしはあの人の夢を、あの人とおんなじくらいに信じてる。あの人の曲を、誰にも負けないくらい愛してる。あの人が好きだから? 違う。だって、初めて聴いたときに驚いたんだもの。あんなに美しくて不思議な旋律って聴いたことがなかった。どうやったらこんな音の組み合わせを思いつくんだろうって思った。「どうせたいしたことないんだろうな」って、期待してなかったのに。 天使が奏でる音楽だよ。 天使のあなたに負けないくらい、その音楽がわたしのこころを奪ったの。 わたし、あなたの夢が好き。頑張ってるあなたが好き。あなたの音楽にかける情熱が好き。夢を追いかけるあなたが好き。 だけど一緒に追いかけるのは、わたしじゃない。わたしの方がずっとずっと、あなたの夢が好きなのに。ずっとずっと、あなたの曲を愛してるのに。ずっとずっと、夢を追いかけるあなたを理解してるのに。ほんとなのに。ほんとなのに。ほんとのことなのに。 その人と一緒に夢を追いかけるあなたの未来の、わたしはどこにいるんだろう。「そこにもスタジオがあるんだって。どっちになるかわかんないんだ。もしきみのところじゃなくっても、今度は3時間時差のあるとこから会いにいくよ」。そうやってあなたは半年先のことを、天使がひらひら舞うみたいに無邪気に話す。嬉しいけど、少し先の未来だってもうわたしには切ない。あなたがその人とみんなの前で生涯の愛を誓う日はいつ? 明日は今日よりその日に一日近づく。あさっては明日よりまた一日近づく。 あなたは切ない気持ちになんてならないの? 幸せだから切なさなんてない? それとも切なさはみんな音楽に託すの? 切ない気持ちが知りたいな。切ない男心をわかりたい。切ないあなたのこころを、言葉にして聞かせてよ。 わたしにとって悲しいことも、わたしに内緒にできない人。 あなたの切ない男心も、内緒にしないで教えてよ。 -
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