天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

悪い予感 - 2001年06月01日(金)

やってしまった。コンピューターの調子が悪くなって直してるあいだに、大事なファイルがいっぱい入ったフォルダーなくしちゃった。バックアップを取ろうとして、すでに無いことを発見。検索しても出てこない。捨ててしまったファイルの中にも見つからない。いままでものすごい時間かけて作ってきたテキストや資料や患者さんへのハンドアウトが全て消えた。病院関係や友だちの住所録も消えた。遊びで作ったびんせんやカードも全部消えた。履歴書も入ってた。書きかけのカバーレターも入ってた。今すぐ必要なものなのに。よりによってなんで一番大事なフォルダーが・・・。

こんなショックって久しぶり。胃がキリキリ痛くって、こんな痛みもあったんだー、なんて呆然としながらなんか感心してる。痛みはあの人への募る思いのせいばかりだったのに。

Duran Duran のせいだ。すっかり気に入ってしまったわたしはあっちこっちのサイトに行って、クリップや曲をダウンロードしてた。圧縮されたファイルを解凍するのに機能拡張マネジャーを触ってしまって、元の状態がわからなくなった。コンピューターはクラッシュしっぱなし。途中まで立ち上がってもフリーズ。仕方なく夫に電話して助けを求めた。ソフトをひとつずつテストして機能拡張ファイルの選択が間違ってるものを探すしかないって言われた。何度も電話して、一晩かかって修復できた。

こんなときだけ頼りにしてしまう。誰かがしてたっけ。新しい瓶のふたを開けるのをいつも男にお願いしてたけど、オープナーを買ったらもうその男が要らなくなったって話。わたしはそうじゃないと思う。声を聞くと胸がつまるもの。うしろめたいから? それもあるかな。「もう愛してない」って言ったくせに、別居すると「きみをどんなに愛してるかわかった」なんてメールが来た。そんな言葉に動かされるものかって思った。だけどそういうメールも一度っきり。ときどき、ほんのときどき電話もあるけど、体調が悪くなったときだけ。夫の気持ちがわからない。それでも最近ときどき思う。あの人を愛しながら、乾いた結婚生活に戻るしかないのかもって。そんな自分は許せないけど、ひとりでいるのは辛すぎる。あの人はもうすぐ結婚するのに。それに、それにわたしたちは紛れもなく、死んだ彼女のパパとママだから。それを思うと胸がつまる。

「Duran Duran のせいだよー。」
「ばーか。何いってんだよ。」
「じゃあ、あなたのせいよ。Duran Duran 好きになっちゃったから。」
「ハイハイ。ご愁傷様。」
「なんでそういうこと言うのぉ。あなたがねえ、作った曲のファイル全部なくしちゃったのとおんなじ心境なんだから。」
「あー今やっときみの気持ちがわかった。もうそれ、飛び降りたい心境。」
「そうだよ。もう飛び降りる。死んだらあなたに会いに行けるもん。」
「ゆうれいになって、ずっとくっついてる?」
「おんぶおばけになって、ずっとくっついてる。」
「背中におぶさって? やめてくれよー、それでなくても肩凝ってるのにさあ。」
「じゃあ、おんぶしながら肩モミモミしたげるよ。」

「履歴書作りなよ、取りあえず。」
「もうショックで元気出ないよ。そばにいてくれたら作れる。」
「そばにいたら作れないだろ、別のことして。」

みんな叶わないこと。おんぶおばけにだってなれない。この頃毎日電話をくれる。前みたいに楽しいおしゃべりが続く。だけどどうしても違うことがある。「明日は電話できない」って言われると、デートなんだって思っちゃう。メールもまた出来るようになったけど、返事が来ないと「彼女と一緒だから見てないんだろうな」って思う。彼女がいるのは前から一緒なのにね。でもこんなふうに考えたことなかったよ。

あの人は最近「僕が結婚したら」って言わなくなった。

ちょっとだけ、悪い予感。結婚のことあの人がわたしに話す直前も、こんなふうに楽しかったから。なくなったフォルダーのショックで、落ち込んで気弱になってる? わからない。でもこわいな・・・。




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