天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

写真 - 2001年06月22日(金)

新しいあなたの写真。

「カッコイイー。あなたじゃないみたい。」

思わずはしゃいだけど、「あなたじゃないみたい」なんて思えるほど、わたしはあなたの顔を知らないんだ。


わたしの大好きなあの微笑みと、おしゃべりのときの笑顔。からかうときのいたずらっ子な顔。甘える顔と、わたしをなだめる大人の顔。下からじっと見上げる心配した顔と、下を向いて鼻を触る照れたときの顔と、考えるときに口を尖らせる顔。情熱を抑えるようにして真剣に話す顔。離れたところからわたしを探す顔と、見つけてくれた時の顔と、抱き寄せてくれる時の顔。並んで歩くときの横顔と、こっちを向いて話してくれる時の顔。振り向いたときの顔。歌うときの顔。たばこを吸う時の顔。雑誌を見る顔。おどけたときの顔。食べる顔。キスのまえの顔。抱いてくれた時の、いろんな表情の顔。それから、それから、それから・・・。最後の顔。いつまでもわたしを見てくれてたあの最後の別れ際の顔。

たった5日分のあなたの顔。たくさん見た。大切に、思い出してる。決して色褪せたりしないけど、もうそれは一年前のあなた。あれから声しか聞けないあなたの、電話の向こうの顔は、わたしにはわからないんだね。ずっと声を聞いてるから、わからないってことがわかんなかった。わたし、声しか知らないんだ、今のあなた。


新しいあなたの写真はまぶしかった。
じっと見ていられなくってクローズしたら、泣きそうになった。
黙っていたら、「すてきぃ〜とか思ってんだろー」ってあなたは笑う。

素敵だよ。素敵。また少し大人っぽくなったね。前の写真は半年以上も前のだった。あの写真もかっこよくって、「これ、絶対あなたじゃないよ〜。カッコよすぎ」なんて、誉めたんだか、からかったんだか。「失礼じゃん」って言いながら、嬉しそうだったよね。あの時も、大人っぽくなったなって思ったけど、こんな気持ちにはならなかった。

また黙ってるから、「どうしたの?」ってあなたは心配する。「写真見たら、会いたくなった」。少しだけ自分の気持ち、ごまかした。会いたいのはいつも。


「ねえ、あたしの顔、覚えてる?」
「覚えてるよ。こないだ写真も送ってくれたし。」
「写真じゃなくて。」
「そりゃあ覚えてるよぉ。きみは忘れたの、僕の顔?」
「忘れないよ。」

悲しいのか、嬉しいのか、わかんなくなっちゃった。
もう少ししたら、あの新しいあなたの写真、また開けてみよう。もう泣きそうにならないような気もする。


今日あの人は Duran Duran を見に行く。最終公演を選んで。
「いいなあ。」
「コーフンして失禁するかもしれないよ。」
「あたしの写真、持ってって? あたしにも見せて。」
「『これがきみが見たかった Duran Duran だよ』って? 死んだ人じゃん。」
「いいから。持ってって。ね? いいなあ。」

誰にも邪魔されたくないから、ひとりで行くって言ってた。ひとりのあなたをわたしの写真が占領するの。「いいなあ」っていったのはね、そんなに嬉しそうなあなたがいい、ってことなんだよ。どんな顔して見るのかな。わたしのまだ知らない顔。


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