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お天気 - 2001年07月05日(木) 3日前までの雨と雷がうそみたいに、昨日とおとといは最高のお天気だった。空はカラカラに晴れ上がって、湿気が全然なくて、風がひんやり涼しくて、陽はかんかんに照りつけるのに暑さが心地いい。ここにもこんな日があるんだ、って驚いたほど。 それなのに、今日はまた夕方からお天気が崩れた。 昼間、シティのお祭り騒ぎに便乗しに行ったけど、人が多すぎて、見たかったイベントはあきらめた。少し離れたところの芝生の一角に座って、地下鉄の駅に降りる手前のコーナーストアで作ってもらったサンドイッチと、チップスとお水とワインを広げて、ピクニックした。 隣りでピクニックしてた家族の小さなぼうやが、パパに差し出してもらったすいかに一生懸命かぶりついてるのがかわいかった。がんがん響く音楽と観客の奇声を離れたところから聴きながら、他愛ないおしゃべりを延々続けて、笑いころげた。 それだけでくたびれちゃって、予定してた夕方からのスウィングダンスもやめにして、一本はずれた人通りの少ない通りのカフェテリアでコーヒーを飲んだ。 なんだかすごくのんびりできた。特別なこと何もしてないのに、気持ちが満足した。 「カフェイン、全然効かないね」っていいながら、どんより曇り始めた空から逃げるみたいに、地下鉄の駅にもぐりこんだ。 夜になって、クリスのスタジオのあるビルの屋上にのぼって花火を見た。花火は半分雲に隠れてちゃんと見られなかったけど、シティの夜景と、集まったボートの灯と、それが水面に映ってゆらゆら揺れているのを見ながら、またバカみたいなおしゃべりするのが楽しかった。花火が終わると、何十隻ものボートが並んで同じ方向に帰っていくのが素敵だった。 真夜中なのに帰りの高速は渋滞で、あっちこっちでポリスカーの明かりが点滅してた。降り出した雨が強くなって、ウィンドシールドに打ちつける雨の速さにワイパーが追いつけないでいるのを見ながら、会いたい会いたい会いたいって思った。愛してる愛してる愛してるってつぶやいてた。胸が痛かった。 お天気って気持ちの浮き沈みに影響するんだなんて、わかりきったようなことをわざわざ考えてた。 昨日も今朝もメールが来てた。いつもの、伝言板に書き込むメモみたいなメッセージ。今朝のメールには、次の電話の日と時間が書いてあった。今日もまだ意地張っていようかなって思ってたけど、「いい?」って聞いているのに返事を出さずにいたら、よけいな心配する。あの人の心配は時々とんでもない方向に行ってしまうから。それでもまだちょっと強がっていたくて、真似して伝言板のメモみたいな返事を送った。 前に住んでたところの友だちからメールが来てた。 「暑くて気持ちいいよー」って書いてた。 あの街の夏は、毎日がそう。今年もあの街のあの夏を過ごせないんだ。 -
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