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もう何も考えたくない - 2001年07月21日(土) Looking Back 2 が届いた。 このあいだ甲斐バンドの「夏の轍」が届いたあとで、母に追加注文したCD。 しょうがない娘だと思ってるだろな。 ちょっとだけ聴くのが怖かった。聴いたらやっぱり襲ってきた。 懐かしい記憶。ふたりともオフコースが懐かしくて、いつも一緒に聴いてたあの頃のこと。2段階式「オフコースの思い出」の、最初の方は飛んでしまって、蘇るのはあとの方だけ。 楽しかった遠い記憶ばかりが、鮮やかに戻ってくる。 あんなに大好きだったんだよ。結婚して何年経っても恋人同士みたいな夫婦だった。何年経っても「愛してるよ」って言ってくれた。ずっと自慢の「旦那さん」だったんだよ。 年を取るほどわからなくなることがある。 ー過去はいつでも鮮やかなもの 死にたいくらい辛くても だから過去を振り返っても意味がないっていうこと? 輝いてしか見えないから? 今は死にたいくらい辛くても、やがてはそれも鮮やかな過去になるってこと? あの頃ちゃんとわかってた歌詞の意味がわからなくなった。 おととい、またある人からもらった言葉。 「たとえ痛みでも知らないよりは知ったほうがいい」 昔、思ってたことがある。辛いことがあるたびに。どんなことでも、経験しなかった方がよかったことなんてないんだって。だから苦しみを知らなかった頃に戻りたいなんて思わなかった。その頃よりも強くなれた自分がいるから。ひとつずつ人の悲しみもわかるようになる。そして優しくなれる。何も知らないよりも知っていたほうがいいに決まってる。たとえ知れば苦しくなることだって。苦しみを覚えて受け入れて消化して、強くて優しい大人になっていくんだって思ってた。 だけど、その人の言葉がわからなくなったわたし。 それと同じこと? こんな痛みでも知ったほうがよかったの? それを糧にして前に進めるときがくるのは、すべてが終わったあとだけじゃないの? ずっと終わらない痛みはどうすればいいの? わからない。わからない。 何にもわからないおバカになっちゃった。 ー今の君も あの頃に負けないくらい 僕は好きだから 歌詞があの人の言葉と重なる。思い出してたのは夫のことなのに。 「元気なきみが好きだけど、今のきみもちゃんと好きだよ」。 淋しくて切なくて悲しくて苦しくなった。 母にありがとうの電話をかけたら留守だった。留守電にメッセージを残したから、きっとまたとんでもない時間にかけてくる。いつまでたっても時差がわからない母。 夫に電話したけど取らなかった。「別に用事じゃないの。またかけるね」ってメッセージを入れたけど、こっちは多分かかってこない。 指が勝手に、覚えてる番号を押してゆく。 話しが出来ると思ってなかったし、そんなつもりじゃなかった。わたしの電話とあの人の電話を繋げてみたくなっただけ。切ってると思ったのに呼び出し音が鳴って、それだけで胸が熱くなった。3回鳴らして切った。わたしの番号は出ない。でもわかるかも。叱られちゃうかな。1時間経って電話が鳴る。 「さっき、かけた?」 「・・・うん。ごめん。かけちゃった。」 「きみだなってわかったよ。こりゃあ、またピーピー泣いてるなと思ってさ。今ちょっと時間空いたから。淋しかった?」 「淋しー。」 またすぐに行かなくちゃいけないって切った。「あと2日我慢して。月曜日にはいっぱい遊んであげるからね」。「うん!」なんて、!マークつきで返事をしてる。 このままおバカのまんま、もうなんにも考えなくてもよければいいのに。 もう、なんにも、なんにも考えたくない。 -
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