![]() |
失いたくないもの - 2001年07月23日(月) 久しぶりに白衣を着たらしゃきっとした。病棟に入っら血が騒いだ。「インターン」のバッヂはもうつけられなくて不安だけど、頑張るしかないと思った。続けられるものはこれしかない。でも疲れた。とにかく疲れた第一日目。 うちに帰ってメールを読んで、 泣いた。 泣いた。 泣いた。 わたしは何を欲しがっているんだろう。 ほんとは何を求めているんだろう。 人は失いたくないものを失わなくちゃいけないとき どうやってそれを手放すんだろう。 わたしはそれをどうやって諦めて来たんだろう。 あの娘の命があと一年って言われたとき どうやってそれを受け入れたんだったろう。 かさかさばりばり鳴る音がおもしろくて 落ち葉を踏みしめながらはしゃぐあの娘を見ながら、 クリスマスに赤とグリーンの大きなリボンをつけてあげると いやいやをして振り落とそうとしたあの娘を笑いながら、 来年、この娘のいない落ち葉の季節を、クリスマスを、 迎えることなんて出来るんだろうかと思ってた。 季節が巡るたびに これが最後のあの娘のいる風景なんだと思うと、 もうあの娘のいない季節なんか巡って来ないでと願った。 それでも取り乱さずに、 あの娘が最後まで幸せに生きられるようにと 大切に、大切に、一日一日を一緒に過ごそうと決めた。 そしてそうやって過ごしたはず。最後の最後の日まで。 同じことがなんで出来ないんだろう。 なんでおんなじように受け入れられないんだろう。 それが出来れば あの娘が今でもわたしの大切な存在でいるように、 あの娘を今でも愛してるように、 あの人をずっとそんなふうに大切に思って愛していられるのに。 ちゃんと天使のあの人だけを愛していられるのに。 天使なんかじゃない。 天使じゃないあの人を愛してしまったわたしが苦しんでる。 きっと一度は失わなきゃいけないんだ。 一番失いたくないものを守っているためには。 人間のあの人を諦めなきゃいけないんだ。 それが諦められないんだ、わたし。 勇気がないよ。 出来ないよ。 怖いよ。 そんなふうには傷つけたくないよ。 そんなふうには苦しみたくないよ。 どうしよう。 明日の仕事の準備をしなくちゃ・・・。 -
|
![]() |
![]() |