天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

こんなんじゃなくて - 2001年09月27日(木)

なんかね、どうしちゃったんだろ、わたし。

ドクターはいっつもそばにいてくれて、

「ハンバーガー食べたいー。ハンバーガー食べに行こーよー。」
とかっていきなり言えて、
「なんでさあ、ハインツのケチャップって、いっつも満タンにしてあるの? だから出てこないんじゃん」
って言いながら、ビンのお尻をバンバン叩いて、
見かねたドクターが「かしなよ」ってビン取ってブンブン振って、
そしたら突然ドバーッってケチャップが出てきて、
ケチャップまみれになったパティにトマトとオニオン乗っけてふたして、
ナイフとフォークで半分に切ったら、おもむろに半分を手で掴んで、
口のまわりケチャップだらけにしながら、ガバッと思いっきりほおばって、
「やっぱ、ハンバーガーが一番のディナーだね」ってふたりで真っ赤な口でニカッて笑って、
「幸せー」とか思って、

とか、

「土曜日、久しぶりにデートしようか?」って電話くれて、
「ほんとー? じゃあさ、行きたいとこある」って言って、
「どこ?」って聞いてくれて、
「ストリップショー」って答えて、
「いいねいいね、じゃあ、おしゃれしといでよ」って言われて、
ストリップ観に行くんだから、ちょっと清楚なおしゃれして、
「うっわー、あの人おっぱいデカイ」とか「あのブラ素敵ィ。ああいうの欲しい」とかはしゃいで、
オリエンタルの女の子に目が釘付けになって「Sheユs great」ってドクターがため息混じりに言うから、
「だめー。オリエンタルの女の子はあたしだけにしてよ」って拗ねて、
帰りに「今度あたしがストリップしてあげるね」って言ってあげて、

とか、

「今、仕事終わったー」って病院から電話したら、
「今から来なよ。リゾット作ってるとこだからさ。おなか減ってるだろ?」って言ってくれて、
「おいしー。さすがおばあちゃんの秘伝のレシピだね」って誉めてあげて、
「後片づけあたしするから、用意してきなよ」って言ってあげて、
それから ER 用の服着たドクターが車のとこまで送ってくれて、
「今度はあたしが材料買い込んで来て、チャイニーズ作ってあげるよ」って言ったら、
「じゃあ、チャイナタウンで一緒に買い出ししようよ」って言ってくれて、

とか、

「何してたー?」って、うちに帰ったらすぐに電話がかかってきて、
「今電話しようと思ってたの。聞いてよ、今日さあ、あのビッチドクターがまたさー」ってムカついた話したら、
「それはしょうがないさ、きみはわかってないよ。ドクターの仕事っていうのはねえ」
とかって説教くらって、
頭に来るからメールに「バカ」って書いて送って、
そしたら「バカはないだろ、あやまれ」って返事が来て、
無視したら3日くらい経ってまた、
「何してたー?」って電話くれて、
わたしもすっかり機嫌直ってたりして、

とか、


ドクターはいっつも手の届くところにいてくれて、
だから毎日一緒にいなくても、毎日声聞かなくても、そんなの全然平気で、

きっとあの人と彼女みたいな、そんなふうなのがいいなって思うのに、

なんかね、また心配ばっかりになっちゃって、
なんで電話くれないのかなって胸が痛くて、
メール送って、きっと仕事中だから返事なんか来るはずないのに、何回もチェックしたりして、

わたし、ただの女友だちに格下げになったのかなあ、とか

会いたいよ、声聞きたいよ、どこにいるの? 何してるの? って、そんなんばっか思ってる。



「きみの土曜日の夜中に電話してもいい?」「あなたの日曜日のお昼?」「うん、だめ?」「デートじゃないの?」「きみと話したい」。

傷口を天使が翼で優しくなぞってくれる。天使を翼ごと抱きしめたくなる。


どうなっちゃったの、わたし?
こんなの、違う。


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