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穏やかな気持ち - 2001年10月10日(水) 元気? 僕は今日一日体調壊してて、 やっと回復しかけてるとこだよ。 夕べ飲み過ぎたせいかなあって気がしてる。 実際にはそんなに飲んでないはずなんだけどね。 きみのメールを読むと、そこがとても懐かしくなるよ。 ドクターからメールが来た。 昨日移ったホテルはなんか胡散臭いところで、とても安全とは思えずに、また今日別のところに移ったって書いてた。パックを背負ってホテルを探し回ってるだけみたいで、くたびれてるって。ちょっと元気がなくて、驚いてすぐに返事を送った。 最後の bye がなつかしいと思った。 病院のギフトショップのところで、笑顔じゃなくて、少し心配そうな顔して言った bye。 ベッドの中から「じゃね、bye」って言うから、わざとまねして「bye」って立ち上がったら、笑いながら「冗談だよ」ってわたしのお尻を叩いたこと。 まるで永遠の別れみたいにいつまでもドクターにしがみついてた休暇の前の日に、アパートの玄関に戻ってくドクターが右手をあげて bye をして見せた優しい顔。 そしてそのあとの自分の名前は、わたしがいつも呼んでる呼び方の名前を書いてた。それが嬉しかった。 あの人からまだ電話はない。 きっと大変なんだろうな。頑張ってるんだろうな。 あの人がこの国にいて、ドクターがここにいない。 もしもドクターがここにいて、休暇の前みたいにずっとあのまま忙しいまんまメールも電話もなかなか来なかったら、また前のときみたいに毎日泣いてたかもしれないよ。 せっかく近くにいてくれてるのに、声も聞けないあの人のことばかり思って。 ドクターはブラジルからちゃんとメールをくれて、 だからわたしは、あの人のことまで安心してる。 あの人がこの国の反対側で一生懸命仕事してるとこ想像して、 頑張ってって応援してる。 こころのずっとずっと奥のところで、 あの人のこと微笑みながら想ってるわたしがいて、 おんなじわたしがドクターのメールを楽しみに待ってて、 休暇を楽しんでるドクターと、知らないブラジルの風景を、ドキドキしたりワクワクしたり、ハラハラしながら想像してる。 誰かがくれた贈り物なのかなってふと思う。 近くにいるのに声も聞けなくても、もう、あんなふうに泣かなくていいように。 こんな穏やかな気持ち。わたしのこころの休暇なのかもしれないね。 -
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