最低 - 2002年02月15日(金) バレンタインズ・デーは、薔薇の花一輪もらうこともなく終わっちゃった。 って、当然なんだけど。 ドリーンは、帰ったら旦那さんが抱えきれないくらいのお花で迎えてくれて、パパと友だちと学校の先生からキャンディーやチョコレートをたくさんもらった娘のメグは、嬉しくて家の中を走り回ってたらしい。 いいなあ。 抱えきれないくらいの赤い薔薇も羨ましいけど、家族がいて羨ましいなあ、なんてまた思った。 朝、病院の駐車場のおじさんが「おはよう。昨日はいいバレンタインズ・デーだった?」なんて言う。「いいわけないじゃん。あたし、バレンタインいないもん」って、ふくれっ面でべーしてやった。おじさん笑ってたけど、わたし本気で頭に来た。 あの人はやっと少しずつ元気になって、今日は電話したら「今会社に着いたとこ」って言った。ちゃんと仕事に行けるようになったんだ。おじいさんみたいな声も殆ど治ってた。この間、あんまり心配で「お願いだからちゃんと治して。もう心配かけないで。ちゃんと早く治して。お願いだから」ってわあわあ泣いちゃったら、あの人はびっくりして、しばらく黙ったあとで「わかった」って真面目な声で言った。それ以来、「今日はいっぱい寝たからちょっと楽になったよ」とか「ほら、声もマシになっただろ?」とか、「明日はどうしても仕事に行かなきゃいけないけど、もう大丈夫だから心配しないで」とか、いちいち報告してくれる。 だけど、あの人には恋人がいるんだ。わたしがどんなに心配したところで。あの人がどんなにわたしの心配を心配してくれたところで。 「チョコレートもらったの?」なんてバカなこと聞いちゃって、「まだ。今度会うときくれると思うけど」って答えられちゃう。「今度いつ会うの?」ってその上わざわざ聞いて、「多分来週」って言われちゃう。それから「そんなこと気にしないで」って言われる。気にしないわけないじゃん。気にしてないふりも出来ない。 カッコつけて「あなたが好きよ。これは特別な想いなの。死ぬまで気持ちは変わらない。死んでも変わらない」なんて思ったって、どんなに想いを伝え合えたって、わたしはほんとは淋しい。淋しくて悲しくて仕方ない。 試験まで2週間になっちゃった。 仕事でくたびれて、ウィークデーは勉強が出来ない。 弁護士さんに送らなきゃいけない資料も放ってある。 全然頑張ってないじゃん。 結婚約束してる彼女がいるのに、こんなに離れて暮らしてて会えないのに、ずっと好きでいたってしょうがないのに、それでも想い合ってるから大切にするんだなんて、やっぱりわたしバカなのかな。 好きじゃないこの街必死で好きになろうとして、絶対ここでもっと仕事してやるんだってこの街にしがみついてようとして、弁護士さんまで雇ってシンドイ思いして、一体それって何のため? やなら大好きな前のとこに戻ればいいじゃんね。やっぱりバカ? なんで今日はこんなにイジケてるんだろ。 イジケてるんじゃなくて、これが素直っていうのかな。 わかんない。 現実のバレンタインズ・デー見せつけられちゃったから? わかんない。 しょうもない女。しょうがない女。 -
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