もう一度だけ - 2002年04月15日(月) 「ほら、マミーがお迎えに来てくれたよ。よかったねー」。 そう言いながらアニマル・インのお兄さんが、ふたりをケイジに入れて連れて来てくれた。いつもおしゃべりなお兄ちゃんチビは、いつもにも増しておしゃべりになる。楽天家で、うちじゃあいつもケアフリーを決め込んでる妹チビまで、心細げな顔してミャーミャーおしゃべりする。ずっとこんな顔してたんだろうな、ここで。そう思った。 家まで帰る車の中で、ずうっとミャーミャーミャーミャーおしゃべりし通し。「どこ行ってたの?」「なんで僕たち置いてったの?」「なんですぐに来てくれなかったの?」「ねえ、どこ行ってたの?」「なんで置いてきぼりにしたの?」「ねえ、なんで?」「なんで?」。かわいい詰問責めに罪悪感を覚えながら、ちょっと可笑しくなって笑う。そしたらまた責められる。「なんで笑うの?」「何が可笑しいの?」「心配したのに」「寂しかったのに」。ミャーミャーミャーミャーミャー。ね、言ったじゃない。お友だちの結婚式に行って来るからねって。一週間経ったらちゃんと迎えに来るからねって。いい子にして待ってるんだよって。「聞いてないよ、そんなの」「聞いてない」。ミャーミャーミャーミャーミャー。 うちに着いたらケイジの扉を開けて、ひとりずつ思いっきり抱っこしてやる。ごはんをやったら、ものすごい勢いで食べ出した。ちゃんとごはんも食べてなかったのかもしれない。気になって仕方なかったけど、仕事に出掛けなきゃいけなかった。 仕事から戻ると、またミャーミャーミャーミャーふたりしてまとわりついて離れない。甘えん坊のお兄ちゃんは、いつまでもいつまでもくっつき回る。バスルームの中までついてくる。妹チビはそのうち安心したのか、バスケットのベッドですやすや眠ってる。時々大伸びなんかして。ほらほら、そうやってもうすっかり平気を装ってるけど、知ってるんだよ。向こうから電話したらお兄さんが言ってたんだから。「妹チビちゃんはものすごくシャイだね。ずっとお兄ちゃんの後ろに隠れてるよ」って。そういうの何て言うんだっけ? 内弁慶? 妹チビは強がりで、なのにいざって時に臆病で、それで、いつもは臆病なくせになんかあったら絶対盾になって守ってくれるホントは強いお兄ちゃんが大好きで、そんな時にはお兄ちゃんにくっついて甘えて。 「あたしに似てるんだよ」って笑って言ったら、「そうなん?」って真面目な声で、強がりなわたしを知らないあの人は聞いてた。もうずうっと前。そうなんだよ。だからわたしだって、子どもみたいにふざけてばっかだけどホントはとっても強いあなたに守って欲しい。欲しかった。もう一度だけ、あのときみたいに。もう一度だけ、くっついて甘えたかった。 ほんとに、もう一度だけでよかった。 お兄ちゃんチビを抱き上げて、とびきり上等のキスをしてやったら、愛おしさが溢れて溢れて止まらない。 「大好きだよ。ずっと離さないからね。どこにもやったりしないよ。ずっと一緒だよ。淋しい思いさせて、ごめんね」。 動物は裏切らない。約束破ったりしない。100パーセント嘘のない愛をくれる。 わたしもチビたちを裏切らない。約束破ったりしない。100パーセントピュアな愛をあげる。 「会いに行くよ。チビたちにも会いたいもん。」 あの人のいつかの言葉が、うんと遠くのほうに消えてった。 わかってるよ。あなたの愛にだって嘘はない。 ただね、ほんとに、 ただ、どうしても、 もう一度だけ、 もう一度だけ、会いたかった。 「20000ヒット踏みました」ってメールくれた貴男、ありがとうね。 幸せな気分になった、なんて、そんなこと言ってくれたら嬉しくて涙が出るよ。 うん、ちゃんとその気持ち、伝わったよ。 そうそう、よく計算したら3000ドルは36万じゃなくて39万でした。 考えても解決しません。っていうか、考えたくない。 どうしよう?? -
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