天使に恋をしたら・・・ ...angel

 

 

あなたの道に - 2002年04月30日(火)

もしも結婚のためならね、僕は会社を辞めたりしないよ、生活の安定のために。そうだろ? 会社で作る曲はさ、僕の作りたい曲と方向性が違うし、すごく勉強にはなったけどもうこれ以上いてもしょうがないなと思った。わがままかもしれないけど、やりたいことをやれる機会が出来た今しかないって思ったんだ。保障なんかどこにもないよ。生活なんか不安定極まりなくなるよ。それでもね、知ってるだろ? 僕には自分の音楽が一番大事だって。妥協なんか出来ない。僕は欲しいものは手に入れなきゃ気が済まないし、やりたいことを絶対にやりたいんだ。わがまま? わがままかな?

「知ってるよ。わかってるよ。そういうとこが好き。」
「え?」
「あたし、あなたのそういうところが好きよ。」
「照れるじゃん。」
「ちょっと危ないけどね。」
「危ないよなあ、ほんと。子どもなんだよ、欲しいものがあったら駄々こねて欲しがってさ、やりたいことがあればすぐに行動に移すってさ。成長してないんだ、全然。」
「危ないよ。危なっかしい。でもそういうとこ、ほんとに好きだよ。それ聞いて安心した。あなたがほんとにやりたいことなんだったら。」

昨日見つけたの。あなたが探してるとこ。ここにもいくつかあるんだけどね、それよりもコネティカットにたくさんあるの。コネティカットならここから車で2、3時間で行けちゃうよ。夕べずっとインターネットで調べてたんだ。でもね、ふと思ったの。あなたが結婚のためにその仕事するんならいやだなって。それが心配になったの。

ー あの人は笑った。

なんで笑うの? あたし、きっとそうだと思って、一生懸命やってる自分がバカにさえ思えたんだよ。

だって、違うって。心配しなくていいって。僕自身がほんとにやりたいことだよ。だから頑張ろうと思ってる。コネティカット、行ってみてもいいね、行けるなら。あとさ、隣りに座って一緒にインターネットもっと調べて、これがいいとかこれはダメとかふたりで一緒に決めようよ。

ー 来るの? ほんとに来るの? 「隣りに座って」? 「ふたりで一緒に」? 

「あたしのこと利用してないって言って。」
「してないよ。」
「だってこのあいだそう言ったじゃん。」
「きみがそんなこと言うからさ。僕は利用してないよ。きみに手伝って欲しいだけ。だから手伝って。ってそれが利用してるっていうことか。でも手伝え〜。僕のために手伝え〜。」
「今後のあなたのあたしに対する態度による。」
「ハイ、わかりました。」


その仕事が少しだけ音楽から離れてるから、これからする結婚の、生活の基盤を作るためなのかなって思い始めて苦しくなってた。それなら絶対に関わりたくない。だから聞いた。こわごわ聞いた。「結婚するからその仕事するの?」。

だけど、もうわかった。いくら音楽の会社でも、納得の出来ない曲を作って納得出来ない気持ちでいるより、音楽から少し離れてても、好きでやりたいことを楽しんでやれる環境が別にあれば、精神的なゆとりが出来る。それがいい曲作ることに繋がる。子どもみたいなあの人がいつも無邪気に話してくれる子どもみたいな「好きなこと」。そうだったよね。大好きなことだよね。それをちゃっかりもうひとつの仕事にしちゃって、しっかり音楽の環境に繋げて、音楽仲間と友だち引っ張って、難しいことひとつずつきちんとクリアしながら、ちゃんと大人なあの人がそこにいる。

がむしゃらで無鉄砲で、どん欲で精力的で、自分に正直で誠実で、自分の夢を信じて自信があって、いつでも一生懸命でいつもいつも前向きで進行形で。

子どもみたいに無邪気なくせに、ものすごく冷静で妙に大人で。

危なっかしいけど、ハラハラするけど、全力で120パーセント生きてるその生き方が好き。

決して立ち止まらないで夢を追い続ける、その生き方が好きだよ。

信じてみようかな。
あなたがここに来て、隣りに座ってふたりで一緒にあなたの夢を追いかける日。
素敵だよね。ほんとに出来るなら。あなたのためにふたりで出来ることがある。
遠いところから見つめてるだけだった、あなたが走り続けるその道のどこかに、
わたしの足跡が確かに残る。
その道は、わたしの知らないもうひとつの道と、いつかもうすぐ交わってしまうけど。


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