友だちでもなくなった - 2002年08月15日(木) 仕事の帰りにひとつ向こうの駅まで行った。 銀行に行って、スターバックスでコーヒー豆買って、1ポンド買ったらタダでくれるトールのコーヒーひとりで飲んで、カジュアルでちょっと素敵なグリークのレストラン見つけてお花やさんを覗いて、ひと駅違うだけで雰囲気がまるで違うその通りが嬉しくなって、住宅街を抜けて走って河沿いの道に出て、河向こうにシティを眺めながら帰る。 車の中でかかった Cleaninユ Out My Closet をまた聴きたくなって CD をかける。 電話が鳴った。カダーだった。ふつうにおしゃべりしてたけど、プレイボーイのチャネル見てるって言ってたカダーが妖しいこと言い出す。やだ。このままふつうにおしゃべりしたいのに。笑いながら交わしてたら突然声が聞こえなくなった。かけ直して「切ったの?」って聞いたら「切った」って言われて、「なんで?」って聞いたら「話したくなさそうだから」って言われて、「ふつうにおしゃべりしたい」って言えなくて「話したいよ」って言ったら黙ってた。だから「あなたは話したくないの?」って聞いたら「わからない」って言われて、今度はわたしが黙ってたら「あとでかける」って言われて、なんだか疲れて「かけてくれなくていいよ」って言ったら「オーケー」って言われて、切られちゃった。もう一度かけ直したらもう取ってくれなかった。 わかんない。うそ。わかってるよ。でもやっぱりもういいよ。やっぱり悲しいよ。そんなだけの相手だなんて。 ひとりで公園に行った。ベンチに座ってたばこを吸った。風が涼しくて気持ちよかった。だけど胸が痛かった。風になりたいと思った。犬がたくさん遊んでもらってて、眺めてたらほんの少し痛みが薄らいだ。犬になりたいと思った。ちょっと離れたところにデイジーみたいな犬がいて、ほんとにそっくりで、「デイジー」って呼んでみたら走って来た。ほんとにデイジーだった。ひとりのはずがないと思って見渡したら、大きな木の下でおなかの出たおじさんがわたしに向かって手を振った。 隣りに座ったフランクと上の空でおしゃべりしながら、フランクが渡してくれた青いボールを投げてデイジーとボール遊びをした。何回目かに高く放り投げたボールが、落ちてこなかった。木の枝に引っかかっちゃったらしい。暗闇に紛れてどこにあるかなんかわかんなかった。どの木に引っかかったのかもわかんなかった。フランクは笑って、わたしは謝って、落ちてた枝の切れ端を拾ってボールの代わりに投げたけど、デイジーは木切れじゃたいくつそうだった。 「ごめんね、デイジー。デイジーのボール失くしちゃったよ」って言いながら、大きな木のそばに行って枝を見上げてボールを探してるふりした。また胸が疼いた。木にしがみつきたかった。木に登りたかった。木になりたいと思った。 うちに帰りたくなかったけど、しかたないから一緒に帰った。 もう友だちでもなんでもないね。 もうきっと電話もくれないね。 だからどうだって言うんだろうね。 なんでこんななんだろうね、わたし。 なんでこんななんだろ。 なんでかしこくなれないの? なんで? -
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