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No more Natasha - 2004年12月11日(土) 「いまだにナターシャを探してしまうよ。可笑しいね」。 デイビッドはそう言って笑う。 あれから2週間と2日。 わたしも、ナターシャを探してる。 いつもドアを開けてくれるデイビッドに「Hi」を言ったあと、ナターシャの名まえを呼んだ。ナターシャはデイビッドの仕事場からしっぽを降りながら出てきて、わたしを見上げながらわたしの足にまとわりついた。 ナターシャはいない。もういない。 悲しいんじゃない。ナターシャは幸せに逝って、もっと幸せに天国で生きてるから。 淋しい。でもそれもそんなにいっぱいじゃない。デイビッドのアパートじゃなくても、名まえを呼ぶと笑ってるナターシャがいつも見えるから。 なんだろ。 痛い? 痛い。 ここに姿のなくなったナターシャがあの娘と一緒に天国で走り回ってる。 デイビッドの中でスピリットだけになったナターシャを抱き締める。 大好きな大好きな遠いナターシャに手を伸ばす。 遠い遠い天国にいるけど、デイビッドの中にもいるナターシャ。 ジーザスに手を伸ばすように、 あの娘に手を伸ばすように、 天使のあの人に手を伸ばすように、 穏やかで満たされた安らかな気持ちなのに痛い。 優しくて甘くて、そして痛い。 「No more Natasha」。 でもデイビッド、「永遠のナターシャ」なんだよ。 -
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