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赤いモヘヤの帽子 - 2006年12月25日(月) 今ジェイソンがわたしのベッドで寝てる。 結局白いペンキ塗りはキャンセル。 夕べ遅くにジェイソンが来てくれて、わたしはサンタの帽子をかぶって階段を降りて、「メリークリスマス!」ってドアを開けてジェイソンを迎える。「かわいいね、帽子」ってジェイソンが言った。 ジェイソンは大きな袋とクローゼットにつけるクロムのポールを4本とブルーのモップを抱えて、「夜中の2時なのに地下鉄人いっぱいで座れなかったよ、疲れた」って、テーブルの椅子に座った。テーブルの上に置いておいたクリスマスプレゼントとカードを「これあなたにだよ。明日まで開けるの待つ?」って聞いたら「待つよ」ってジェイソンは笑ってから、自分が持って来たものひとつずつ説明する。 ペンキ塗りのブラシとバケツ、ブルーのモップは自分ちにあったやつで使ってないからわたしにくれて、それがクリスマスプレゼントかなって思ってたら、「次、これプレゼント」って赤いリボンをつけた素敵なアンティークのランプを袋から取り出した。パープルブルーに菊の花がペイントされたランプは小さいのに重たくて、きみのねこたちがこれなら重くてひっくり返せないだろって。チビたちは前より広いこのアパートを走り回って、いろんなものひっくり返すから。クリーム色のランプシェードは内側がふっくら二重になってて、それが明かりを柔らかにするらしい。そういうシェードはアンティークならではで、今はもうなかなか見つかんないんだって。 それから、赤いモヘヤの帽子と赤い手袋。古い方の Dirty Dancing の映画のサウンドトラックのオリジナル版レコード。赤いシナモンの香りのキャンドル。サンタの帽子を脱いで、赤いモヘヤの帽子を被ってバスルームの鏡を見に行ったら、すっごいかわいかった。「あたしかわいいよ、ほら」って言ったら「知ってるよ、きみは帽子が似合うんだよ」だって。ほんとは赤い帽子持ってるからちょっと困ったなって思ったけど、ジェイソンがくれたのほんとにかわいい。ふわふわの毛の長いキャメルのタイトなくるぶしまであるロングコートに合いそう。買わなきゃ、そういうコート。って笑う。Dirty Dancing の素敵なレコードジャケットは、レコード入れたままフレームして飾ることにする。 最後に取り出したのはブルーの袋。「これは明日まで待ちな」って言われる。小さな四角い箱の包みとカードが入ってた。 昨日は大変だった。朝早くジェイソンへのクリスマスプレゼントを買いにウエストサイドまで行って、それから教会に行って、ジェニーにプレゼントをあげてジェニーからプレゼントをもらって、前住んでたとこの近くのイタリアンベーカリーでイタリアンバゲットを二つ買って、ホームウェアのお店でバスマットを買って、フィッシュマーケットでお魚を買いたかったのにお店が閉まってて、スーパーマーケットで買い物したあとで別のところにお魚買いに行こうと車に乗ったら、エンジンがかからない。AAAを呼んで来てもらったら、バッテリーじゃなくてスターターがイカレてるって言われる。クリスマス・ウィーウエンドだから火曜日まで修理出来ないって言われたけど、とりあえずAAAのショップまで車をけん引してもらった。トランクには両手にも抱えきれないほどの荷物で、地下鉄で帰るわけにもいかずタクシーでうちまで帰る。 車がなくて、自分の教会の5時からのクリスマスミサに行こうと思ってたのに行けず、ジェニーんちのパーティに誘われたのに行けず、アパーイーストサイドの教会の8時からのキャンドルライト・クリスマスイヴ・ミサに地下鉄で行ったら、定時に着いたのにもうメインフロアも二階も満席で地下のお部屋に行かされる。地下はビデオでチャペルの様子を映したのを観るだけで、まるでテレビ観てるみたいでがっかりだった。キャンドルライト・ミサのはずなのにキャンドルライト・サービスもなくて、ミサはたったの一時間と15分で、すごい欲求不満でうちに帰った。 それからレジーナに教えてもらったアップルサイダーにオレンジとクローブとシナモンとナツメグを入れてあっためるクリスマスサイダーをクラックポットで作って、ベジタリアン・ラザーニャを作って、りんごとトマトときゅうりとミントにアーモンドスライスとクランベリー入りのゴートチーズをミックスしたサラダの下準備をして、くたくたになってジェイソンを待つ。 クリスマス・ディナーはジェイソンの好きなお魚にしようと思ったのに、車がダウンしたせいで予定急遽変更。 ほとんど朝になるまでおしゃべりしたあと、いっぱいセックスして眠る。目が覚めたらお昼の1時過ぎだった。シャワーを浴びてから、プレゼントを開けたいってせがんで開けた。小さい四角い箱の中身は、アンティークのきれいな蝶と蜂のブローチだった。こんな繊細なブローチつけるセーターもってない、きれいなセーター買わなきゃ。ってまた笑ったけど、小さい四角い箱の中身は指輪かなとかちょっと思ってたのにな。そんなわけないか。指輪のサイズも聞かれたことないしな。 ジェイソンは毎日の仕事でまだくたびれてて、わたしは昨日の出来事と明け方のセックスでくたびれてて、わたしは何度もうたたねをして、ジェイソンはまだ自分の仕事をわたしのコンピューター使って続けてて、そういうわけで白いペンキ塗りはキャンセル。 ジェイソンは今日も泊まって、明日わたしが仕事に行ってるあいだにコーキングとペンキ塗りしてくれる。ひとりでやっちゃったほうが効率いいとか言ってる。ちょっと残念。 スパイスの効いた熱いアップルサイダーはとてもクリスマシ−で、ラザーニャもおいしかった。わたしのクリスマスプレゼントをジェイソンはとてもとても喜んでくれた。「象印」の炊飯器。ジェイソンは前に、ライスクッカーが欲しいって言ってたんだ。ゆうべ ZABAR'S のウェブサイトで見つけた「象印」。「ZOjirushi」なんて書いてるからニセモノかなって思ったけど、ちゃんと象のマークがついてて感激した。「セントマークの日本のスーパーマーケットで買おうかと思ってたんだ、きみに一緒に選んでもらって。やっぱりライスクッカーは日本製じゃなきゃね」って。よかった。アメリカ製の買わなくて。よかった。昨日朝早く ZABAR'S に行って。 雨が降ってる。明日も一日雨らしい。 赤いモヘヤの帽子、いつ被ろうかな。合うコートがないから困った。コートなしで歩ける少しあったかい日まで待たなきゃ。とりあえず明日は被れない。 白いペンキ塗りはなくなったけど、素敵な日になったよ。 メリークリスマス。 -
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