Onry Me
DiaryINDEXpastwill


2001年05月27日(日) 父がガンで死んだ時(15)27歳の私、30年後の自分(あとがき)

父がガンで入院してから亡くなるまでは、
あっという間の二ヶ月間でした。

今現在、父が死んでから1年4ヶ月あまりが
経ちましたが本当に時の経つのは早いものです。

時間は私達が何をしていようと毎日、
過ぎ去っていきます。

昨日より今日、今日より明日・・・
私達は確実に年を取っています。
それは言い換えれば1日、1日、僅かづつ、
しかし確実に死へと向かって年を重ねて
いるのです。

普段、平凡で同じような毎日を繰り返して
いると、なかなかその事には気付きません。

私自身、家族がいつもいる事が当然だと
思っていました。

今の生活が何年、何十年と続くと
思っていました。

当たり前のように父が70歳、80歳と生き続ける
ものだとばかり思っていました。

・・・しかし、現実は違いました。

私は父の死を体験し自分が当たり前のように
生きている事が実は当たり前ではないんだと
いう事を強く感じました。
永遠と続くと思っていた「時」が限りある物で
ある事に父の死によって気付かされました。

私自身、正直将来何歳まで生きられるのかは
解りません。
57歳で死んだ父より長生きするのか・・・
それとも早く死ぬのか・・・
それは誰にも解らないことでしょう。

しかし、私はいつ死ぬか解らないからこそ
限りある人生を精一杯生きなければいけない
んじゃないかと思うのです。

私自身、後悔をしない人生を送る自信は
正直ありませんが後悔を減らす事は出来
ると思います。

少なくとも
「あの時、ああしとけばよかった・・・」
「こうしとけばよかった・・・」
などといった後悔はしないよう、今後私は
なるべく妥協のない人生を送りたいと考え
ています。

父の会社を継ぎたいと思ったのも
その思いがあったからです。

父は確かに仕事には恵まれず借金を作って
しまいましたが人生を精一杯生きた事は確かです。

その父の死によって私の心の中で確実に
何かが変わりました。

それが何なのかは具体的には、うまく表現
出来ません。

それは人生に対する前向きな姿勢だとか考え方
みたいな物かも知れませんが、もっと言葉では
言い表せない深い物のような気がします。

今後私は、父の意思を心にとどめ一生懸命、
限りある人生を生きて行きたいと思います。

1ヶ月が1年になり、1年が2年・・3年・5年
・・・・・10年・・・。
人が生きるという事は結局は、
日々を積み重ねる事なのです。
そして、どうせ同じ日々を積み重ねるのなら
私は出来るだけ充実した毎日を送りたいと
願っています。

30年後、もし私がまだ生きており、父と同じ
57歳という年齢を迎える事が出来たなら、
その時には、ゆっくりと自分の今までの人生を
振り返ってみようかと思っています。

尊敬する父に自分がどれだけ近づけたのか・・・
自分の57年の人生は父と比べてどうだっただろうか・・・
そんな事を父のお墓の前で考えて見るのも
いいかもしれないと思います。

それまでは限りある毎日を精一杯生き、
充実した人生を送っていきたいと思います。


最後に・・・
私を生み、育ててくれた父と母には
心より感謝いたします。



あとがき:

私は昔から妥協を繰り返す人生を送って来ました。
人生の中で何かに一生懸命取り組んだ事が
今まで一度もありませんでした。

しかし、父の死によって私はこんな事では
いけないと思い始めました。
私自身、せっかくの一度きりの人生なのだから
一生懸命何かに取り組んでいきたいと思ったのです。

ただ、そうは言っても人間、どうしても辛い事や
苦しい事があると楽な方へ楽な方へと足を向けて
しまいがちです。
私自身も今までそうやって辛い事や苦しい事から
逃げてきました。

そこで私は父の亡くなるまでを書いた日記と共に
自分の今の思いや考えを残そうと思ったのです。

もし、今後私が辛い事や苦しい事に出会って
逃げそうになった時は、この日記を読み返し、
この時の自分の思いを呼びさまして初心に
返って頑張ろう。
そんな思いから、この日記を書き始めました。

そして日記を書き続けているとある日、
私のこの日記に投票して下さっている
方々がいる事に気がつきました。

さすがに書き続けて2週間ともなると
結構大変な時もありました。

そんな時には私の日記を読んで下さって
いる方々がいる事を思うと本当に勇気
づけられ励みになりました。

正直、文才のかけらも無い私です。
読みにくい個所や誤字脱字などが、
かなりあった事と思いますが最後まで
読んでいただき、さらには投票までして
下さり本当に皆様には大変感謝しております。

この場を借りて心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。


パンチョ


パンチョ |MAIL

My追加