Onry Me
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2001年05月26日(土) |
父がガンで死んだ時(14)私の決意 |
私の両親はよく父の借金の事で ケンカをしていました。 その度に父は
「今に札束を目の前に山積みにして渡してやる!」
と言うのが口癖でした。
入院中も、父が弱気な発言をすると母は 「あんだけ借金残して絶対、死なせないからね!」 などと憎まれ口を叩いていたそうです。
父自身、母に物凄く迷惑をかけている事を 誰よりも感じていた筈でした。 父の夢は仕事で成功して母に楽をさせて あげる事だったのです。
しかし既に父は夢を実現出来ずに この世を去ってしまいました。 その事を思うと、父はさぞかし無念な 気持ちで死んで逝ったんだろうと思います。
今年の1月、父の一周忌を前に私は 父の会社を継ぎました。 仕事での成功を夢見ながら、志し半ばで 亡くなった父の無念な気持ちが痛いほど 解る私は、亡き父の為にどうしても会社 を継いであげたかったのです。
ただ今は継いだと言っても代表取締役の名義を 父から私の名前へ変えただけで今は実質的には まだ何もしていない状態です。
現在私は、自分自身の仕事を持っている事と それなりに資金を貯めなければならない為、 すぐに父の会社を私がやっていく事は出来ません がいずれは父の会社を本格的に継いでいきたいと 考えています。
正直、会社を経営して行く事がどれほど大変な 事なのかを私は父を見てそれなりに理解してい るつもりですし、恐らく、将来多くの困難や挫折 などがある事と思います。
正直私自身、将来の事を考えると、とても不安 になる事が多々あります。 しかし、私はもう自分の目の前にある現実から 逃げる事はしたくありません。
私は十代後半〜二十代前半にかけて数年間、 ほとんど何もせず、無職に近い生活を送って いた時期がありました。
その頃の私は自分が将来何をやりたいのかが 解らず、自分の将来は一体どうなるんだろう と漠然とした不安感に悩みながら、日々を 無為に過ごしていました。
もう私は将来に対する不安感から 逃げないと心に誓いました。
確かに会社を経営する上で将来、失敗する事や 倒産する事があるかもしれません。 しかしそれらを恐れて自分自身に妥協して生きて いく事はもうしたくありません。
私は今までずっと仕事に対しても、人生に対しても、 妥協をし続けて、勇気を出して新たな挑戦への一歩 を踏み出す事が出来ないでいました。
確かに現状の自分に妥協して一歩を踏み 出さなければ失敗する事はありません。 しかし、その一歩を踏み出さなければ成功 もありえない事に私は気付きました。
今、私は将来の失敗を恐れず父の会社を継ぐという 目標に向かって新たな一歩を踏み出していきたいと 思っています。 死んだ父に対して私自身、恥ずかしくない 人生を歩みたいと思っています。
天国は本当にあるのだろうか? 父が死んでから、たまにこんな事を 思う事があります。
私は正直な所、死後の世界だの天国だの地獄だの といったものが本当にあるとは思っていません。
しかし万が一、そういった世界があるのなら・・・ 自分が死んだ時にもう一度、父に会う事が 出来るのなら・・・
私はその時は胸を張って父に自分の送った人生が、 いかに充実した素晴らしいものであったのか等の、 たくさんの土産話をしてあげたいと考えています。
私は今後、そんな人生を歩んで行きたいと思っています。
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