Stars in heaven

2001年11月19日(月) 燃え際に長く尾を引く・・

セットした携帯のアラームで、時間が来たのを知り、慌てて飛び起きて 
パジャマの上に 厚手のカーディガン パンツを重ね、手袋 靴下
の 完全防備で そぉっと家を抜け出し 外へ。

予報は晴れだったけれど この目で確認するまでは 気が気でなかった。

吐く息は 気温の低さで 真っ白で、見上げた夜空は 雲ひとつなく 
「うぉぉ 最高だっ!!」と、夜中だと言うのに 思わず声に出してしまってた。

北に 北斗七星 南に オリオン座 
東の空のしし座を探すけれど普段から見慣れていないものだから 
漠然と多分 あの辺りだろうと見当をつけて間も無く スーっと幾つもの光の筋・・
またまた夜中だと言うのに「うわぁっ・・・」と叫んでしまった。

今までに何回か流れ星を見た事は有ったけれど
瞬きするのももどかしいくらいの数は見た事が無かったので興奮した。
サァっと刷毛で刷いたような小さいものから 長く軌跡が暫く残るものまで
最初は数を数えていたけれど 次々と流れるものだから判らなくなっちゃって。

家の前の道路にしゃがんで「街路灯が邪魔だな・・」とか
「向かいの家が無かったらな・・」とか勝手な事をブツブツと、ひとり言。
見上げているうちに首や足が痛くなって来てしまった時
「運転出来たなら、灯りが邪魔しない山の頂まで車を走らせて、
眺めに行けただろうにな」と家の前に止まっている娘の車を見て無性に思った。
そんな事を考えている間も 星は流れ続けて 飽きる事が無かった。

何時頃かハッキリと判らなかったけど 足音が聞こえて来て
耳を澄ませて 音のする方を 確かめるように見ていたら
朝刊を配る 新聞配達のおじさんの軽快な足音だった。
まさか私が流星を見るのにしゃがんでいるなんて気付かないだろうから
咳払いをしたり声を出してみたりしたけれど
黒いコートを着ていたせいも有り 一瞬驚いたようだった。
「流星見ているのかい?」と声をかけてくれたおじさんは
「今より3時前の方が凄かったよね」の声を残して去って行ってしまった。

3時台が最高と聞いていたので その言葉に脱力感を覚え
「今までのも凄かったけれど もっと凄かったワケ?」なんて思っちゃって
そうなったら面白いもので、感じなかった寒さが急激にやって来て。
そそくさと家の中に入って時計を見たら3時25分・・

布団に潜り込んで 冷たくなった足を擦りながら、それでも 
「もしかしたら今頃、さっきよりもたくさんの星が流れてたりして」とか
「もう少し外で眺めていたらもっと凄かったかもしれないなぁ」
なんて思いながら目を瞑ったら、瞼の裏に星空が残像として見えて
何となくうれしかった 楽しかった。


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