どこかに線を引く、境を作る、石を置く、板を立てる、 等等。様々な行動は、常にある世界とそれとは別の世界の 境界線を作るために行われている。小さな頃におままごと をする時も、どこからが「外」で、どこからが「家」なのかを 明確にする為、ござを敷いたり石や草を置いたりした記憶は 誰にでもあるはずだ。
人は、何かで境界線を作ることで、ある種の結界を張って 居るのだと思う。それは、実際の、ある土地であったり 建物であったり、または実在しないものとの境であったりも する。何かを分断するものが怖いのは、そうした理由からなのか。
昔から、線路や鉄橋は怖くて渡れなかった。 それを超えてしまったら、自分の知らない世界に行くようで 怖かったのだ。
知らない間に誰かとの間に結界を張っていないだろうか。 急に、不安になるときが、私にはある。
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