君を永遠に愛している、だとか、ずっと一緒に居るよ、だとか そういう陳腐な科白は、ハッキリ言って聞きたくない。 簡単な言葉の裏にある、安い約束なら、要らない。
人の心は移ろいやすくて、未来永劫、変わって行くものだから。 はかないからこそ、皆がそれを抱きしめているのだと思う。
私は、永遠に好きだとか、そういう嘘は付いた事がない。
そう言って、後で嘘になるのが嫌だからだ。もしも私がそう言う 時は、きっと本当に永遠に変わらないものに対してだけだ。 …しかし、そんなものは、そうそう、ない。
昔、いつだったか、私がそう言ったら、ある人は泣いてしまった。
けれど、私は、愛のようなもの、偽りの約束、約束された未来、 それまでの過去、そんなもの達はどれも要らないから、 ただ、今の気持ちと心さえあれば、それだけで生きていけるのだ。
そこに無い、口頭での約束や、冷たい左の指の拘束具よりは、 ただ、暖かな血の流れる、あなたの掌だけで、それを自分と つなげるだけで、私はそれだけで幸せなのだ。
私の中で、未来永劫、変わらないのは、誰かとの愛ではなく、 ここにある、確かな私の信念。それだけは、永遠にこのままでいて 欲しいと私は思う。そうしてこのまま、いつでも、涙の暖かさに 感動できる自分で居たいと願う。
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