一人で、泣いてる声がして、か細い声が聞こえてくる。
…さすがにこの年になると、淋しい時に淋しいと言ったり、 哀しい時に哀しいと言ったり、人に頼る事に、だんだん 不器用になってしまう。…本当は、淋しい時には淋しいし、 哀しければ涙も出るのに、どうしてみんな、それを秘密に してしまうのだろう。
私は、この体と、この心と、たったそれしか持っていないけど、 もしかしたら、誰かの寂しさを、ほんの少し、埋めてあげる 事は出来るかもしれない。
誰かの涙を拭う指と、誰かの不安を聞く耳と、誰かの心に 響く声を、今、泣いているあなたに。
私は私のものだから、誰にもあげる事は出来ないけれど、 ほんの少し、淋しさを埋めてあげる事は出来るから、 だから、私は、あなたを支える、透明な管になろうと思う。
ほんの少し、君の背中を押してあげる、小さな追い風に。
そうしたら、君は、本当は自分の中にある、本当に自分を “支えるもの”に気付くはず。…そうしたら、目に見えない 透明な私を、忘れて捨てていけば良いのだと思う。
あなたを支えるものは、あなたの中に。そんな自分の可能性を、 自ら忘れないで、見つけて大切にしていてね。
珍しく、私からあなたへの言葉。 それと、ほんの少しの心を、ここに…
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